プラスチックの問題ーpart3種類は？その1

３　プラスチックの種類を理解しよう

まず、大まかに分けよう。

〇熱可塑性プラスチック
こちらは分子の配列の違いにより２つに分かれる。
・非結晶性プラスチック
ＰＳ、ＳＡＮ（ＡＳ）、ＡＢＳ、ＰＣ、ＰＭＭＡ、ＰＶＣ他
・結晶性プラスチック
ＰＥ、ＰＰ、ＰＡ、ＰＭＯ、ＰＴＦＥ、ＰＥＴＰ他

〇熱硬化性プラスチック

PF、UF、MF、UP、SI、EP他
こうなる。特徴は？
・熱可塑性プラスチックは、成形前は固化した状態で、加熱すると軟化し流動性を持つようになる。冷却すると再び固化する。
身の回りの多くのものがこちらになる。
・熱硬化性プラスチックは、成形前は流動性を持っていて、熱を加えると固化する。硬化後は冷却しても高温においても流動性を持つようにならない。
特に強度が求められ、耐熱性が必要なものとなる。 

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細かく種類を見てみよう。
最初は、４大汎用プラスチックから（身の回りに多くある日常よく使われるもの。）
これくらいは覚えておきたい。

PE・・・ポリエチレン（エチレン系）

ポリエチレンには4種類ある。

①低密度ポリエチレン（LDPE）
牛乳パック・紙コップ（紙にLDPEがラミネートされている）、ラップフィルム、マヨネーズ容器、チューブアイス、薬分包袋、医薬用容器（輸液バッグ、アンプル等）、緩衝用発泡成形体、フルーツネット等

②直鎖状低密度ポリエチレン（LLDPE）
ナイロン等とくっつけて使用する食品包装袋（液体、固体、粉体）、容器の口栓、紙おむつ外側層、肥料袋等 

③高密度ポリエチレン（HDPE）
レジ袋、シャンプー容器、ポリバケツ、コンテナー、灯油缶、ロープ、水道管・ガス管等   

④エチレン系共重合体（接着性がある）
フィルム、シート等 

ＰＰ・・・ポリプロピレン（プロピレン系）

フィルム、シートでは

米菓、ラーメン、レトルト食品の包装、食品用トレイ等

射出成形品では

マーガリンの容器、飲料容器のキャップ等
ブロー製品では
食用油、ケチャップのボトルなど、織物として米麦袋、不織布としてティーバック等

冷蔵庫、AV機器等の家庭用電気製品、バンパー等の自動車用部品、ビールのコンテナー、荷造り用バンド等 

繰り返しの屈曲に耐性があるから、蓋と本体とを結ぶヒンジ部分をもつ製品。

ＰＳ・・・ポリスチレン（エチレン系）

コーヒーカップのフタ、使い捨てフォーク、使い捨ての食器，包装フィルム、ボールペンの軸等

発泡スチロール（発泡ポリスチレン）は、ポリスチレンに空気を大量に入れて作る。空気の量の違いにより異なる製品ができる。 
食品トレー各種、カップ麺の容器、弁当等の容器、保冷容器、建築用の断熱材、緩衝梱包材等

透明なポリスチレンは、スチレンモノマーを重合して製造する。GPPS（ゼネラルパーパスポリスチレン）と呼ばれる。
染料や顔料との親和性が良いので、きれいに着色することができる。

包装フィルム、透明カップなどの家庭用品、CDケース、冷蔵庫の棚板や野菜ケース、シャーレ、液晶TVの拡散板等 

スチレンモノマーにゴムを混ぜて重合すると、耐衝撃性が優れた半透明のHIPS（ハイインパクトポリスチレン）になる。
TVやエアコン等の家電製品やOA機器のハウジング、乳酸菌飲料容器のほとんど、ポーションミルク容器、ホットコーヒーの蓋等  

ＰＶＣ・・・ポリ塩化ビニル

正式には塩化ビニルポリマーといい、略して塩ビと呼ばれる。日用品やおもちゃ、建設材料などさまざまな製品や材料として使用されている。塩素を多く含み、焼却処理に伴うダイオキシン類の主要発生源とされている。 ビニールハウス 、衣類、壁紙、バッグ、インテリア（クッション材、断熱材、防音材、保護材として）、ロープ、電線被覆（絶縁材）、防虫網（網戸など）、包装材料、水道パイプ、建築材料、農業用資材(農ビ)、レコード盤、消しゴム等

玩具にもよく用いられた時代があったが、現在は環境ホルモンへの懸念から使われていないと思われる。

身の回りにあふれているプラスチック。私たちは、昔から存在しているかのように当たり前のように、私たちの生活そのものにしている。なじんでいる。でも？だからこそ？ともかく一体何者なのか全然気にしていない。この無防備な平和な日本人が私は好きだけど、少しは「どんなものなのか？」を知っておく必要もあると思います。

今まで100種類近くのプラスチックが開発され、現在約70種類のプラスチックが使われているそうです。 「part4種類は？その２」では、今回の４大プラスチック以外の主な種類を見てみることにします。

参考・引用：ポリオレフィン等衛生協議会のデータ