小惑星探査機(初号機より90Kg重い600kgの重量)のはやぶさ2が無事にリュウグウに到着している。2014年12月3日に打ち上げられ、2018年6月27日9:35、地球から3億キロ離れた直径900mの小惑星に無事到着した。はやぶさ1でのイオンエンジンのトラブル原因を改善した成果だ。まずは一安心です。
リュウグウは炭素質コンドライトからなるC型小惑星。リュウグウに期待されていることは、有機物(炭素を含む化合物)や水を多く含むと考えられること。炭素と水は、我々人類を含む地球上の生物の最も基本的な要素であり、地球生命の原材料とも言えるからです。地球誕生の頃にこのような隕石がぶつかってきていたことが考えられ、地球の生命誕生の謎が解明されるかもしれないし、太陽系の起源にも迫ることができると思われています。
到着してまず意外だったと言われているのは、当初丸形と思われていた小惑星の形がコマ型だったことです。実際に間近で観察しないと分からないことでした。
はやぶさ2のタッチダウンを前に、2018年9月21日13:06、「はやぶさ2」探査機から小型ローバ MINERVA-Ⅱ1(ミネルバ・ツー・ワン)を分離。MINERVA-Ⅱ1はRover-1AとRover-1Bの2機からなっていますが、2機とも小惑星リュウグウ表面に着地したことが確認されました。各ローバとも状態は正常で、撮影した写真や各種のデータを送ってきています。その写真等の解析で、ローバはリュウグウ表面を移動していることも確認できています。成功です。順調に動いています。感動です。
MINERVA-Ⅱ1は、小惑星表面に降りた世界初のローバ(移動探査ロボット)になります。また、しかも、2機同時に小惑星表面で自律的に移動したこと、写真撮影をしたことも世界初です。そばらしい!実は当初、MINERVA-Ⅱ1は地球からの指令でリュウグウから切り離されるようになっていましたが、指令が届くまでの時間の誤差が適正な切り離しのタイミングを違えることになると心配され、間近で詳細に観察できるはやぶさ2自信が判断して分離するよう改善されていたのです。
いよいよ!はやぶさ2が地表の物質を地球に持ち帰るためのタッチダウンが始まるか!?と期待していたところ、記者会見で延期が告げられました。調査により、思った以上に大きな岩石がごろごろしてタッチダウンした時に岩石に触れ、損傷する危険性が高いと判断されたのです。はやぶさ2の底部から約1mほどの円筒形の装置が付けられており、タッチダウンの時、そこから採取しますが、当初は第一候補の100m四方の中に誤差50mにより行う予定でしたが、これでは到底無理だとなり、候補地の場所と候補地の範囲縮小、タッチダウンの精度を高める試み、具体的には、着陸の時の化学推進がうまく働くための準備、近距離用高度計LRFの正常な作動など様々な計画変更と目標達成のための再準備が行われたようだ。
2019年1月8日記者会見が行われた。精度は15mに高められていた。候補地は6mと12mの非常に狭い範囲の場所。そこには60cmくらいの岩がある可能性がある。ターゲットマーカーによるリハーサルは3回行っているようだ。ターゲットマーカーはTM-Bを使用。候補地はL08-B1とL08-E1.タッチダウン運用は2019年2月18日の週に行い2月24日までに完了予定。危険を察知したらすぐに中止するし、うまくいけば、そのままタッチダウン実施ということになる。いづれにせよ2月18には降下を開始し始める。
成功を祈り続けるしかない。絶対に成功してほしい。多くの汗と涙と努力が報われるように。成功すれば大きな発見と成果がもたらされる。
こんなこともある。このような惑星は地球とぶつかる可能性もあるのだ。だから、小惑星自体の研究と軌道などの研究結果は、万が一の時に役立つはずだ。