2021年10月25日(月)くもり。
今年はみかんが豊作。
細胞は、寿命を迎えると「小さなかけらになって死んでいく」と言った人がいるそうだ。オーストラリアの病理学者、ジョン・カーさんたち。1972年病気になった組織を顕微鏡で観察していた時に見つけたそうだ。
彼らは、「DNAが指令を出して、細胞は自発的に死んでいるのではないか。」と考えた。 そして「アポトーシス(apoptosis)」と名付けた。
ギリシャ語で“apo”は「離れる」。“ptosis”は「落ちる」という意味。秋に木の葉が枝から離れて落ちていく様子になぞらえたそうだ。
弱った木の葉は、枝から離れて木全体の生存を助けると聞いたことがある。
細胞の死に方にはいろいろとあるようだ。突然の生理学的損傷や偶発的な細胞死など。でも今ではその他にも遺伝学的に制御された経路を介して細胞死が起こる場合が確認されている。
1 アポトーシスはI型細胞死。
外部からの影響を受けずに細胞を自壊させる厳密に制御されたプログラム細胞死 (PCD:Programmed Cell Death) の形態。個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされるとされる。
2 オートファジーはII型細胞死。
プログラム細胞死の一種だが、細胞死だけでなく、細胞の生存も促進するそうだ。
3 ネクローシスはIII型細胞死。
外部からの極端な生理的ストレスによって偶然に起こるプロセスとされる。
ストレスに晒された細胞が他の細胞死の手段が利用できない場合に引き起こされる。
アポトーシスの場合、核が凝縮する(核濃縮)、DNA が切断される、マクロファージなどの組織球がアポトーシス小胞を貪食する。などの方法で死ぬ(自殺)そうだ。
アポトーシスについて、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされるというのは、環境の大きな変化にも順応できるように以前の環境下における細胞は淘汰されるということのようだ。
海で暮らしていた生物がエラで呼吸していたが、陸に上がり肺で呼吸するようになったことを考えればいい。もちろん長い時間が必要ですが。
ガンやアルツハイマー病はどういうことなのか?
細胞が死なずにどんどん増えていく「がん」。細胞が異常に早く死んでいくアルツハイマー病。これらは、アポトーシスの異常でありプログラムが狂ってしまっていると考えればいいのか?III型細胞死のような異常が積み重なることによるのだろうか?
細胞の寿命のメカニズム、がん細胞が死ぬことなく増殖をする理由については、こちらで詳しく理解している。テロメアとテロメラーゼの働きにはびっくりしたよ!