1 始めに、日本で超深地層研究を行っている組織について少し理解を深めたい。
昭和37年、旧通産省地質調査所が旧国道21号沿いでウラン鉱床の露頭を発見する。そして昭和40年、原子燃料公社が土岐市肥田町に東濃探鉱事務所を開所したのがはじまりとなる。その後、
原子燃料公社→平成10年、動力炉・核燃料開発事業団改組→平成17年、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合し独立行政法人日本原子力研究開発機構が設立→平成27年、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構に法人名称変更、このような変遷をたどる。
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(〒319-1184 茨城県那珂郡東海村大字舟石川765番地1)では、「高速増殖原型炉もんじゅ」や数多くの研究所、開発センターなどを有していますが、その中のひとつに東濃地科学センターがあります。このセンターは、岐阜県南東部の瑞浪市と土岐市に、瑞浪超深地層研究所と土岐地球年代学研究所という二つの研究所を持ち、原子力発電に伴って発生する高レベル放射性廃棄物(いわゆる「核のゴミ」)を安全に地層処分するための基盤的な研究開発を行っています。
深地層の科学的研究(地層科学研究)として、超深地層研究所計画では、瑞浪超深地層研究所に深度500mに及ぶ研究坑道を掘削し、主に結晶質岩を対象とした研究を、地質環境の長期安定性に関する研究では、土岐地球年代学研究所を中心に、火山や活断層といった地層処分に影響を与える自然現象についての研究を行い、これに必要な地質試料の年代を測定する技術の開発も行っています。また、瑞浪超深地層研究所では、様々な大学、企業などの研究機関等と共同研究も行っています。
2 2017年9月11日のプレスリリースを見ました!「光合成由来のエネルギー源に依存しない地底生態系の解明に成功」
この内容に胸がどきどき!そして、その内容にびっくり!
「今回の発見は、光合成由来のエネルギー源に依存しない生態系が広大な地下空間に存在し、マグマ由来のメタンをエネルギー源とした巨大なバイオマスが、地底に存在する可能性を示すものである。また、地底深部において普遍的に存在するマグマ由来のメタンが、微生物の硫酸呼吸で酸化されており、その過程で硫化水素を生成することから、放射性核種の移動を抑制する地下水水質が形成されていることも示された。従って地底生命の代謝活動により、高レベル放射性廃棄物地層処分の安全性が高められると期待される。」このような見解が示されている。
・花崗岩・・・マグマが地下深部で冷えて固まって形成した深成岩で、他の深成岩と比較すると鉄に乏しい。御影石(みかげいし)として知られ、陸地を構成する岩石の中では非常に一般的で、世界各地で見られる。
・マグマ由来のメタン・・・マグマに含まれるメタンが、冷却して岩石になる際に、岩石中に取り込まれたもの。
・微生物生態系・・・原始的な細胞を持つ原核生物が研究対象。
瑞浪超深地層研究所では、見学会を実施しているようです。月に1回1日。事前予約が必要です。私も行ってみたいと思っています。それにしても、2017年には発表されていたなんて。びっくりだ!!!