ですので 私は一度は死んだ人間です。
何が起きたのか それがどうしてなのか よくはわかりませんでしたが 私はひとりぼっちになってしまいました。
家内が急にいなくなった悲しみと辛さの中で これからどうやって生きていけばよいのかわかりませんでした。そんなことを考える余裕もなかったので いとこから教えてもらったように 左足を出したら次に右足を出す。そしてまた左足を出すということだけに専念して当座の一日を過ごすことが精一杯でした。その後4年半の間テレビも新聞もない生活をつづけました。
ずっとずっと後になってから 私が生きることになったのには何か理由があるはずだ。そしてどう生きるかも自分で見つけなさいということなのかもしれない と考えるようになりました。今現在わかるのは 物事は自分の魂の設定どおりに進んでるなーということです。しかしそこまで来るのに25年もかかったなーという実感です。
ある夜私が眠っていると なんか声がするようなので目を覚ましました。
すると家内の声がすぐそばで言うのです。実にリアルな声でした。声が少し震えているようでした。「待っている人がいるので私はもう行かないといけない」と時間が切迫した様子でいうのです。姿は見えなかったと思います。私がキャッチできたのはそれだけでした。それ以外にもなにか言ってたのかもしれませんが眠っていたので聞き逃したかもしれません。何か質問すればよかったと後で思いましたが そのときなんと私は彼女に手を振っただけでした。そしてなぜか時計を見るとちょうど彼女が亡くなった時間でした。しかも私はどういうわけか日にちを勘定しましたが その日はちょうど49日目でした。
こんな嘘のようなホントの話があるのかと思ったものです。やっぱり49日と世間でいうけれども 亡くなった霊?がそばに居てくれることがあるんだなーと思ったことでした。
また別の日私が寝ていると明け方歌が聞こえてきて目が覚めました。女性の声のようでしたが家内の声とは違っていました。「事故の直前から彼女はすでに半分死んでいたのです。彼女は母親の3番目の子供に入った人でした」と歌いました。
第3話終わり
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます