ハーゲンダッツ超えの価格でなぜ売れる? 斬新ブリュレが前年比2倍に急伸
八塩 圭子様記事抜粋<オハヨー乳業のアイスクリーム「ブリュレ」が、ここ数年で急速に評判となり、売り上げを伸ばしている。2023年度は22年度の1.6倍、24年度は23年度の2倍となる予想だ。同年4~8月に至っては、前年同期比約3.5倍の売り上げだという。表面がパリッと弾ける音やクリーミーで濃厚な味、見た目の豪華さなど、五感で楽しめるアイスは、SNS時代にうってつけ。インバウンド(訪日客)や外国人インフルエンサーの拡散により、国内だけでなく海外にもファンを増やしている私が最初、コンビニのアイスコーナーで見かけた際、ゴールドの箔押しが施され、他とは一線を画すゴージャスなパッケージに目を奪われた。
“BRULEE”とあるが、これは、あのブリュレ? 滑らかなカスタードクリームの表面をパリッとブリュレして(焦がして)仕上げる、あのスイーツのことなのか。ブリュレのアイスとはどういう味なのか。と疑問も興味も湧き、早速購入して食べてみた。
見た目はクレームブリュレそのもの。結構な厚みのある表面のキャラメリゼ部分はスプーンでたたくと、コンコンと音がする。割った時にパリッという音が気持ちいい。中は白いミルクアイス。
香ばしくちょっと苦味のあるキャラメリゼと甘くてクリーミーなアイスが合わさって、まぁーおいしい。パリッとろ~、パリッとろ~が至福。本家、クレームブリュレの特徴である表面の焦がし部分は再現されつつも、中身はカスタードではなくミルクアイス。まごうことなき“ブリュレ(表面が焦げた)アイス”だ。これは、すごい商品を見つけてしまった。
と、私だけが発見した(と思い込んでいた)お宝スイーツに胸ときめかせていたのだが、その後、テレビの特集でブリュレが取り上げられているのを見ることとなった。インバウンドに大人気で、外国人観光客の多いホテル内にある店舗では2時間に20個売れるという。
私だけが見つけたわけではなかったのか。もっと前からおいしさに気づいていた人がたくさんいて、しかも外国人の間でブームとなっていたとは。
「五感で楽しめるアイス」の再現に苦心
実は、このブリュレ、発売されたのは2017年の4月だった。発売当初から一気に評判となり10日で販売休止に陥った。半年後に販売を再開し、関東限定からスタートして全国で展開するようになった。
20~21年にはユーチューバーなどマイクロインフルエンサーを活用したSNSマーケティングを実施した。23年秋以降、コロナ禍明けのインバウンド需要の高まりとともに一気にブームに火がついて、売り上げ拡大に至ったということだった。
ブリュレは、おいしさ、食感だけでなく、パリッという音や見た目のゴージャスさなどもあり、「五感で楽しめるアイス」と言われる。その最大の特徴は、焼き目のパリパリ感だ。本家、クレームブリュレの場合は、表面をパリッとしたまま楽しんでもらうため、パティシエが客の目の前でキャラメリゼ(糖類を熱して酸化させる調理法)を施すこともある。このプロの技をアイスクリームで再現することは決して簡単なことではなかった。
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