紅の狩衣を纏った青年はしずしずと、舞い続けている。
外に見えるは朧月。聞こえてくるは秋の虫の音。
それにも気にせず、彼は舞を舞い続けている。
一心不乱―そんな言葉がもっとも合うだろうか。
シュ、ススス、ダン。
狩衣がすれる音、静かに舞う響き、そして、大地を踏みしめる鼓動。
これら三つの音と、ピィーンと弓が鳴る音で青年の舞は組み立てられていく。
私たちの世界で言えば、能や狂言の舞によく似た形であろうか。そんな感じで、舞を舞い続ける。
一週間前、冒険者の酒場で、ある冒険者から自らの行き先を告げられた。
「僕、グドン地域へ行こうと思うんです。
この前の依頼の時、ご一緒した人が、同盟は借金(ギガンティックピルグリム)の利息分すら払い終えていないって言っていたのが気になって…。」
「団長は?」
「ミカヤ老です。マイトさんも何度か依頼を受けていたと思いますけど…。」
「ミカヤ老が…。よほど、同盟にとって大変な事態なのでしょうね…。で、いつまで、そっちに?」
「一ヶ月程度だそうです。」
ドリアッドの青年の決意に満ちた表情を見、彼は行くのをやめる様説得するのはあきらめた。
「わかりました。汝の旅路に武運とグリモアの加護があらんことを…。
そして、戻ってきたら、あなたのフルートの音でもう一度、舞を舞わせてください。」
「わかりました。いくらでもおつきあいしますよ。」とドリアッドの青年が立ち上がると、狩衣を纏った青年も立ち上がった。
「気をつけて…。」とマイトが言うと、青年は軽く手を挙げた。
それから、一週間近く経ち、部隊はエルドール近辺にいるという。
そんなさなか、一通の手紙が、彼の手元に届いた。
旅立つ前、一ヶ月間何をしていたのかという報告が書かれていた事と、気になる話があるので教えて欲しいと言う旨が書かれていた。
舞を一時止めて、それを読み更け、彼に彼が所属していた護衛士団が解散することになったことをどう告げるべきか。思い悩んでいた。
そんな中、ドサッと荷物を置く音がする。
そして、一言「マイトさん、今、戻りました!」
マイトが振り向くと、そこには青い髪の青年がいた。
「一ヶ月間、ご無沙汰して申し訳ありませんでした。今、戻ってきました。」
「ん…、あ、ああ…、お帰りなさい。どうだった、休暇は?」
「ええ、そうですね。結婚式の手伝いとか、色々やってきました。ところでマイトさんの方は?」
「私は、いつも通り、依頼を受けていました。ただ気になったのは『ピルグリムグドン』という新種のグドンです。
今、私のライバルがそのピルグリムグドンがいる地へ向かっているみたいなんです。」
「そうなんですか…。」
「それから、楓華列島へ行く遠洋船がバーレルから、出港したみたいですね。」
「ふぅ~ん、遠洋航海ですか…。世界の果てに何があるんでしょう?
マイトさん、気になりませんか?」
「それは気になりますよ。いま、旅団でそういう話があったりするんだ。」
「そうなんですか?
で、マイトさんは?」
「そうですね。私は、『世界の果てに何か区切っている門があって、そこから、色々な災厄が来たりするのでは…。』と思いますね。」
「そうですか…。」
「それから、あなたがいた護衛士団が解散することになったんです…。
ソルレオンへの贖罪部隊と、内政重視型の護衛士団に再編されるそうです…。」
「……」
青い髪の青年は、静かに目を閉じた…。青年の胸に去来する物は…。
え~、むげふぁんでショートショートを一本作ってみました。
これは、今日戻ってきたRさんとグドン地域へ向かっているIさんへの私なりの応援歌だったりします。
むげふぁんをやられている方はご存じの通りだと思います。
某GGが再編したり、グドン地域強行探索部隊が出来たり、外洋航海隊が出来たりと、あわただしかったりします。
マイトも、そんな人たちを戻ってきたら休息に来られるよう、迎え入れる準備をしようと某GGで言っています。班は違いますけど、やはり、同じGGなのでつい…。
そんな皆さんに、幸運がありますように…。
では!
追伸:色々、まずかったら、連絡下さい。
外に見えるは朧月。聞こえてくるは秋の虫の音。
それにも気にせず、彼は舞を舞い続けている。
一心不乱―そんな言葉がもっとも合うだろうか。
シュ、ススス、ダン。
狩衣がすれる音、静かに舞う響き、そして、大地を踏みしめる鼓動。
これら三つの音と、ピィーンと弓が鳴る音で青年の舞は組み立てられていく。
私たちの世界で言えば、能や狂言の舞によく似た形であろうか。そんな感じで、舞を舞い続ける。
一週間前、冒険者の酒場で、ある冒険者から自らの行き先を告げられた。
「僕、グドン地域へ行こうと思うんです。
この前の依頼の時、ご一緒した人が、同盟は借金(ギガンティックピルグリム)の利息分すら払い終えていないって言っていたのが気になって…。」
「団長は?」
「ミカヤ老です。マイトさんも何度か依頼を受けていたと思いますけど…。」
「ミカヤ老が…。よほど、同盟にとって大変な事態なのでしょうね…。で、いつまで、そっちに?」
「一ヶ月程度だそうです。」
ドリアッドの青年の決意に満ちた表情を見、彼は行くのをやめる様説得するのはあきらめた。
「わかりました。汝の旅路に武運とグリモアの加護があらんことを…。
そして、戻ってきたら、あなたのフルートの音でもう一度、舞を舞わせてください。」
「わかりました。いくらでもおつきあいしますよ。」とドリアッドの青年が立ち上がると、狩衣を纏った青年も立ち上がった。
「気をつけて…。」とマイトが言うと、青年は軽く手を挙げた。
それから、一週間近く経ち、部隊はエルドール近辺にいるという。
そんなさなか、一通の手紙が、彼の手元に届いた。
旅立つ前、一ヶ月間何をしていたのかという報告が書かれていた事と、気になる話があるので教えて欲しいと言う旨が書かれていた。
舞を一時止めて、それを読み更け、彼に彼が所属していた護衛士団が解散することになったことをどう告げるべきか。思い悩んでいた。
そんな中、ドサッと荷物を置く音がする。
そして、一言「マイトさん、今、戻りました!」
マイトが振り向くと、そこには青い髪の青年がいた。
「一ヶ月間、ご無沙汰して申し訳ありませんでした。今、戻ってきました。」
「ん…、あ、ああ…、お帰りなさい。どうだった、休暇は?」
「ええ、そうですね。結婚式の手伝いとか、色々やってきました。ところでマイトさんの方は?」
「私は、いつも通り、依頼を受けていました。ただ気になったのは『ピルグリムグドン』という新種のグドンです。
今、私のライバルがそのピルグリムグドンがいる地へ向かっているみたいなんです。」
「そうなんですか…。」
「それから、楓華列島へ行く遠洋船がバーレルから、出港したみたいですね。」
「ふぅ~ん、遠洋航海ですか…。世界の果てに何があるんでしょう?
マイトさん、気になりませんか?」
「それは気になりますよ。いま、旅団でそういう話があったりするんだ。」
「そうなんですか?
で、マイトさんは?」
「そうですね。私は、『世界の果てに何か区切っている門があって、そこから、色々な災厄が来たりするのでは…。』と思いますね。」
「そうですか…。」
「それから、あなたがいた護衛士団が解散することになったんです…。
ソルレオンへの贖罪部隊と、内政重視型の護衛士団に再編されるそうです…。」
「……」
青い髪の青年は、静かに目を閉じた…。青年の胸に去来する物は…。
え~、むげふぁんでショートショートを一本作ってみました。
これは、今日戻ってきたRさんとグドン地域へ向かっているIさんへの私なりの応援歌だったりします。
むげふぁんをやられている方はご存じの通りだと思います。
某GGが再編したり、グドン地域強行探索部隊が出来たり、外洋航海隊が出来たりと、あわただしかったりします。
マイトも、そんな人たちを戻ってきたら休息に来られるよう、迎え入れる準備をしようと某GGで言っています。班は違いますけど、やはり、同じGGなのでつい…。
そんな皆さんに、幸運がありますように…。
では!
追伸:色々、まずかったら、連絡下さい。
相変わらずの事後ですが、今回はこちらからトラックバックをさせて頂いたので、報告に参りました。
それで、え~、いや…その…
とりあえず、PCの前で悶えさせてもらいました。(笑
まずい事なんて全然ありませんのでご安心を。
正直言って嬉しいです。
そのままの勢いで少し突っ走ってしまいましたが。(何
マイトさんの方も、護衛士団での活動に依頼と、色々大変かと思いますが、頑張って下さいと伝えて頂ければ幸いです。
それでは、また。
御感想迄頂き、ありがとうございます。
そんな感想まで頂き、感謝の念しか、言葉がありません。
本当にありがとうございました。
マイトへの伝言もしかと承りました。
マイトも護衛士や依頼でも活躍すると思うので、ご一緒した際はよろしくお願いします。
では!