中国の黄学乾という人は裕福な家庭に生まれ育ち、五品の役人の職を金で買ったので、民衆の苦しみというものを知らなかった。
ある冬の日、厚着をして出かけ、寒風の中、震えながら立っているこじきを見つけた。彼は不思議に思って付き添いの者にたずねた。「この者はどうして体をがたがたと動かしているのか?」
付き添いの者が答えた。「寒いから震えているのです。」
彼はさらに不思議に思って言った。「まさか、その震えると寒くなくなるというのかい?」
原文「冷和抖」
黄学乾生长富贵之家,捐了个五品官,只是不知民间疾苦。 冬天,他出外,见到一个吃亏,站在寒风里发抖。他觉得奇怪,就问随从的人:“这个人身子怎么老在动弹?” 随从的人告诉他:“因为天冷发抖。” 他更觉得奇怪了,说:“难道抖抖就不冷了吗?”
《丁聡「古代中国幽黙」》
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