つい先日近所を散歩していたら、耕作地の端に赤のまんまを見つけた。私の幼い頃には、女の子のままごと遊びによく使われていた道端に咲く思い出の花。斑入葉がよく、赤い花穂のコントラストが美しい。
紅紫色の粒状の花で、赤飯に似ているところから「赤のまんま」の名がある。8月から11月くらいに開花し、赤まんま、赤のままともいわれ、別名には犬蓼、みずひきなどの名称ももつ。
草丈30~40センチで咲き、花壇や庭に植える場合は、半日陰の湿地が適している。
ひなびた花であり、小さな赤い粒の可憐な風情は俳人に愛され、身近な草花だけに多くの句にも詠まれている。
この花を見ているとどうしても幼い頃の記憶がよみがえり、ままごと遊びをしている近所の女の子たちの姿を思い出してしまう。私自身はほとんどその経験はないのだが、夏から秋への季節の遊びとしてその頃の女の子たちの姿を目のあたりに見ていたからだろうか。
懐かしい、忘れられない花のひとつである。
子供だけ知る抜け道や赤のまま
岸恒雄
駄菓子屋の跡の青空赤のまま
石山恵子
「季節の花(49)赤のまんま」