久しぶりにこの地に来た。といってもわずか一年ぶりのことである。それが久しぶりなのか、それともしょっちゅうという表現がいいのか。そんなことはどうでもいい。
奥入瀬を思わせるような渓流。
水は冷たく速い。
木橋を超えて向こう側の茶店まで行ってみようか。
初めてこの地を知ったのはもうずいぶん前のこと。
あるホテルの事務の人から「すてきな場所がある」と言われて、車で案内されたのはいつのことだったのかとなつかしさに指を折ってみる。ちょうど40年くらい前になるのだろうか。同じくらいの年齢だった彼女は名古屋出身だとか話していた。あのときはお互い若かったなどとひとり振り返ってみる。
それから来ない年もあったが、年に2回来た年もある。とするとおおよそ40回くらいはこの地を訪ねていたことになる。
真っ赤な木の葉が落ちている。2枚ばかり手にして、車は去った。
思い出は過ぎ去っても、紅い木々は毎年これからも出迎えてくれることだろうと思いつつ。
紅葉より ずっと真っ赤な 恋の色
平成25年11月 「恋する川柳」 道の駅清流茶屋かわはら
紅葉狩り 着くまでに顔 まっかっか
平成26年1月 「旅の五七五」 書育推進協議会
「心に残る旅(23)紅葉の中を8人の仲間と」