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あべっちの思いをこめた雑記帳

日本一の花桃の公園

 中国原産で弥生時代にはすでに渡来していたらしい桃。
 日本書紀には3月上巳の日に桃酒を飲んで災厄を払ったという記述がある。
 観賞用や果樹として広く栽培されており、特に山梨県や福島県·岡山県が有名だ。桃の花は桃の節句、雛祭りの花として親しまれている。

 園芸種は正確にいうと二種類あり、果実を食用とするために栽培されるものは淡紅色、観賞用のものは白や濃いピンク、それに白とピンクの花が混ざったものなどさまざまである。

 桃は元々は花を観賞する花木であって、果実を栽培するようになったのは明治になってからである。
 万葉集には7首詠まれているがこの頃のは花桃(はなもも)であり、むろん実は食べられなかった。中国でも日本でもその頃は邪気を払う能力があるものと信じられていたのでひときわ大切にされたようだ。
 年々盛大になる「桃の節句」もそういった風習を受け継ぐ貴重な文化として大切にしていきたい。

 別名を仙桃(せんとう)、桃李(とうり)、御酒古草(みきふるくさ)、三千代草(みちよぐさ)などと呼ばれている。

 私の住んでいる古河にはその桃の公園がある。
 古河公方公園(こがくぼうこうえん)という花桃の名所だ。花桃の公園としては日本一の規模だろう。元々は古河総合公園といったが、いつの間にか名前が変わっていた。今までもさほどいい名前だとは思わなかったが、今度の公方公園という新しい呼び名には地元の人でさえ正直戸惑っている。なかなか読みにくいし、仮に読めたとしてもそれがどういう意味かわかる人は少ない。仮にわかったとしても、それがどれだけの価値をもつのであろうか。古い呼び名が必ずしも良いとは限らないが、新しく命名した人の自己満足ではないのだろうかと疑いたくなるような名だ。
 「花桃公園」または「花もも公園」とすべきではないか。古河という名も付さないほうが良い気がする。花ももだけでわかってもらえるのが一番の良薬。

 先日何気にその公園に出かけてみた。
 駐車場は700台のスペースと聞いているが、平日にもかかわらず8割強が埋まっていた。「桃まつり」は一昨日で終わっている。
 満開の桃はまた来年も咲いてくれるだろう。それまでの一年。元気でいれば、またお目にかかれるだろうと思っている。

 

                  「季節の花(17) 日本一の花桃の公園」

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