「く」からはじまる絵本も面白そうなのがたくさんあって、7冊くらい候補になったのですが。。。あまり多いとレビューを書くのもしんどいので、5冊まで!!と自分に制限をかけ、厳選してきました(笑)
クジラにあいたいときは ジュリー・フォリアーノ 文 エリン・E・ステッド 絵 金原瑞人 訳 講談社
原文のタイトルは IF YOU WANT TO SEE A WHALE。本文中の、雲を見る、遠くを見る、ペリカンを見る、などと違い、クジラはやっぱり単に「見る」のでなくて「あいたい」んですよね。
絵が、なんというか、うるさくないタッチの絵で、良いなあと思います。
IF YOU WANT TO...の後に自分の好きなことを入れて、そのためにはどんな条件が必要か、いろいろ考えてみるのも楽しいかも。
雲をつかむはなし あべ弘士 パイプライン
表紙見返しのところの一言で、本文を読み始める前にちょっとシャキッとしました(笑)
岩山の上のカワセミとカモシカの絵。。。カワセミが手前にいて、カモシカよりうんと大きく描かれているのが面白いです。
仲良しの二人は、セリフを読んでいるとカモシカのほうが年上でカワセミはまだ若者だと思われるのは、日本語ならではですね。英語だとセリフだけではこうはいかない。
背中の模様が雲そっくりの、大きな魚が見開き2ページに描かれてる絵は、なんか魚の顔がユーモラスでほほえましいです(笑)
勇気を出して良かったね、カワセミ君。
そうそう、ところどころで出てくる、ワシかタカ?の小さなシルエットも存在感あります。
くるぞくるぞ 内田麟太郎 ぶん 長新太 え 童心社
表紙で、大好きな長新太さんの絵をぱっと見て、さらに「くるぞくるぞ、って何が来るんだろう」という期待から迷わず選びました(笑)
「おおきなもり」の最初の絵からして、この森はただの森ではないというワクワク感を抱かせます(笑)
寒さに耐えながら丸くなっていた動物たちを驚かす森。キツツキやキツネが、その原因を憶測しますが。。。
怖いもの・恐ろしいものについてあれこれ憶測するよりも、ちょっと距離を置いて見てみたら、ああそうだったのか、と思うのは、やみくもに心配したり不安がったりせずにそんな自分をちょっと離れたところから見てみると冷静になれる。。。みたいなことも思い出させます。
でも「おおきなもり」の寒さ撃退策はあっぱれ(笑) 動物たちも、ああそうだったのか、というよりもあっけにとられたかも(笑)
ストーリーも面白いけど、長新太さんのおっしゃる「絵本には絵本のことばがあります」というのを実感して楽しみながら読める作品です。
くぬぎむらのレストラン カズコ・G・ストーン さく 福音館書店
「か」で始まる絵本で、『蛙となれよ冷やし瓜』の絵を描かれていた、ストーンさんの作品です。
絵本を、タテにして読んでいくのが面白いですね。
虫たちの名前も表情もかわいらしくて、ほのぼのとします。レストランの名前も「あまーいあまい」でなくて「あーまいあまい」なのが良いです。
一枚一枚、ていねいに描かれているくぬぎの葉っぱにもなんだか癒されます。
くもとそらのえほん 五十嵐美和子 作・絵 武田康男 監修 PHP研究所
これは、科学絵本の部類に入るのかな。特に起承転結のストーリーがあるのではなくて、いろんな種類の雲を紹介しています。
武田康男さんの、雲にまつわる本はいくつか読んだことがあるのですが、写真ではなくて、絵で見る様々な雲も、良いものですね。
青い空に浮かぶ雲の形は毎日違うし、朝焼けや夕焼けの色に染まる雲も、日常生活のなかでふと見かけるとああきれいだなあと思いますよね。
今年は梅雨が長くて、怪しく迫ってくる灰色の雨雲や空一面を覆う雲にはうんざりしたけど、これから梅雨が明けて連日、容赦ない夏空が続いたら、またそのうち、雨雲やしっとりした灰色の空もたまには歓迎。。。って思うのでしょうね(笑)
こないだちらと見たら、次の「け」で始まる絵本は少なそう。。。「け」と「こ」、合同にしようかな?