1月4日、福岡県の水族館「マリンワールド海の中道」で飼育されていたオスのラッコ、リロ君が亡くなりました。
昨年末、調子が悪いというのを知り、毎日インスタ経由のお知らせで「今日はどうなのかな」と心配していました。
ちゃんと餌を食べた日もあったようですが。。。亡くなる前日にはかなり厳しい状況のお知らせだったので、覚悟はしていましたが、翌日、悲しいお知らせを見ることになってしまいました。
17歳、人間でいうと70歳くらいだったとのことで、やはり持ち直すのは難しかったのですね。
リロ君のことが頭から離れず、作った詩と言うかつぶやきです。
新しい年に 一つの命が消えてしまった
かけがえのない
いとおしい命が
たくさんの人が この小さな命のために祈った
私たちはこの小さな命に まだ遠くへ行かないで欲しかった
まだもう少し もうしばらく
できるだけ長く
私たちといっしょにいて欲しかった
でもそれよりも願っていたのは
この小さな命にとって
何もかもが穏やかでありますようにということ
リロくん
リロくん
私たちは 会ったことがあったのかな
大好きで
いつも君のことを想ってきた
日本で最後の
男の子のラッコ
リロくん
たくさんの人に愛された
リロくん
たくさんの愛をありがとう
どうか 天国のプールで
マナちゃんと赤ちゃんと楽しく暮らしてね
2021年2月に、パートナーだったメスのマナちゃんと、マナちゃんのお腹の中にいた赤ちゃんが亡くなってから、ほぼ4年。
その間、どんなに寂しい気持ちでリロくんが過ごしたのか。。。それにもかかわらず、けなげに、かわいい姿やたくさんの芸を見せて、癒しと幸せを届けてくれたリロくん。。。それを思うと、寂しいけれど、これで良かった、リロくん、4年近くも本当に頑張ったね、やっとマナちゃんに再会できたね、とも思います。
福岡だから会いに行くのは難しい。。。というのが現実でしたが、考えてみたら、2007年に和歌山のアドベンチャーワールド生まれのリロくんとは、2009年7月にアドベンチャーワールドに行った際に、会っていたのかもしれません。
その、2009年7月の、リロくんだったかもしれない画像を載せます。
わあ、当時は3頭もラッコがいたのですね。
当時の私のブログには、「くるくる回っているのでなかなかうまく撮れない、ようやく可愛いお顔が撮れた」というようなことが書いてあります。
そしてリロくんは2012年にマリンワールド海の中道へお引越ししたのでした。
日本の水族館でラッコの飼育が始まったのは1982年だそうです。1994年には全国で122頭いたラッコも、リロくんがいなくなったことでついにあとメス2頭、鳥羽水族館のメイちゃんとキラちゃんだけになってしまいました。
ラッコはエサ代がかかるので繁殖させることにあまり積極的でなかった、飼育下だとラッコたちの繁殖能力が衰えてきた、などいろんな要因が重なったのだと思いますが、1982年から40年強で、こんなことになるなんて本当に残念でなりません。
絶滅危惧種なので海外からの輸入もできないようです。
たとえ水族館で見られなくても、野生のラッコたちが元気でいてくれたらそれでいい、とも思います。
北海道の霧多布岬に、野生のラッコが十数頭?定着しているそうで、現地の方々が見守っていてくださるようです。
ただただ願うのは、この霧多布岬の日本のラッコたちが、十数頭から数十頭、百頭。。。と、とにかく増えて欲しい。
そして今は無理でも、今後、母親からはぐれたりしたラッコの子が、保護されるようにまでなると良いな。
野生下では無事に大人になれない子ラッコも多いはずです。
実際、海外ではそうやって保護された子ラッコが、自然に返すのが難しいと判断されたら水族館で暮らしている例があります。
私の知っている範囲だと2000年に保護されたオスのJoeyくん、2024年に保護されたメスのTofinoちゃんとLunaちゃんはいずれもバンクーバー水族館にいます。
リロくん含め日本の水族館にもう3頭しかラッコがいないと知ってからすっかりラッコファンになってしまった私はバンクーバー水族館、シアトル水族館、カリフォルニアのモンテレー水族館のライブカメラなども見ているのですが、海外では数頭がわちゃわちゃとプールで泳いでいるのを見ると羨ましいです。
日本の水族館でも、今後、40年後を見据えて、40年後にはまた「ラッコ、あちこちの水族館にいるよ~」ってくらいになって欲しいです。
それには野生のラッコたちの住む自然環境の保護が何よりも大事です。
水族館で見られなくなるどころか、野生のラッコがもしも絶滅するようなことがあったら、ラッコたちのいない世界(地球)になんて住んでいたくないとさえ思うのです。
リロくんが亡くなってから、トバスイのメイちゃんキラちゃんのライブカメラを観るのが、ただ楽しいというより、なんだか祈る気持ちのほうが強くなってきました。
元気に泳いでいる姿を見るとほっとして「今日も元気でね」「ずっと元気で、長生きしてね」と心のメッセージを送らずにいられません。
今日もきっとトバスイのラッコ水槽の前にはものすごい人だかりでしょう。
メイちゃんキラちゃんが幸せでありますように。そして長く長く、元気でいてくれますように。
そしてリロくん、本当にありがとう。飼育員のみなさんもありがとうございました。
書かずにいられなかったリロくんのこと、最後まで読んでくださってありがとうございました🦦