宇宙から還りし王(山稜王改題)第30回■
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
ケインの意識は瞬時、現在の山上宮殿へと戻る。
「ケインよ。君は『地球意志』と戦え、君は独立した人格なのだ。
そしてこの世をハーモナイザーによって統一しよう」
しかし、ケインの意識は過去に戻り、地球に向っている宇宙船ア
ン . . . 本文を読む
宇宙から還りし王(山稜王改題)第29回■
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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光点がある。ネイサンは見た。
その樹木状のものが空間に浮んでいて、そこにすべての乗組員が
ぶらさがっている。
宇宙服も何もか もはぎとられている。裸体の
まま、彼らはまるで磁石に引き寄せられたようにはりついているのだ。
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宇宙から還りし王(山稜王改題)第28回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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宇宙服をつけてはいない。が彼は生きて空間に浮んでいるのだ。
足の下の方には、先刻のモニターで見たように何かの生物の死体が勤
めいている。暗闇の中でもネイサンはそれを感じることができた。
ネイサンが気づくより早く、アンバサダー号 . . . 本文を読む
宇宙から還りし王(山稜王改題)第27回■
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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「ポール、だめなんだ、艇が操船不可能だ」
ナノウが泣き出していた。
「ワイラー、ワイラー、俺達を助けろ」
返事がかえってこない。
「くそっ、本船との連絡もできんぞ」
探査艇は、ホール内へすべり込むようにすいこまれていく。光 . . . 本文を読む
宇宙から還りし王(山稜王改題)第26回■
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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その星の中心部から音が聞こえていた。空気もないのにその音は
アンバサダー号の内に鳴り響いていた。がそれは音でありえない。
心の中に感じられるらしい。
「ロバート、この音は」マーガレットが聞く。
「まるでタンホイザーの曲の様に . . . 本文を読む
宇宙から還りし王(山稜王改題)第25回 ■
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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「ケインよ、お前は想像できるか、地球人類の叡知をはるかに越え
た存在を」
「それをお前は、タイホイザーゲイトで見たわけか。なぜ地球へ還
ってきた」
「還ってきた。そうではない。私は使徒として地球へ派遣されたの
だ。この地球を . . . 本文を読む
宇宙から還りし王(山稜王改題)第24回 ■ 宇宙から還りし王(山稜王改題)第24回 ■
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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「ケイン」山陵王が呼んでいた。
「ケイン、よくここまでやってきたね」
山陵王はケインに手をさしだした。二人は握手した。力強い握手
だった。
「それでは、ケイン、私について来 . . . 本文を読む
宇宙から還りし王(山稜王改題)第23回■
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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宇宙省のビルだった。
スターリング長官が前にいた。
「いいかね、君が頼みの綱なのだ」
ケインは至上命令で、本省へ呼びもどされていた。
椅子にかけたケインヘ、スターリングは質問する。
「ケイン君、君は『山陵王』の本を読 . . . 本文を読む
宇宙から還りし王(山稜王改題)第22回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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ケインのまどろみはやがて先刻のシアリー絶壁とつながる。
アゴルフォスは先程と同じ様に、彼を黄泉の船に乗せる。
やがてその船は山上宮殿に辿りつく。そこはいかなる想像力もお
よばない建物であった。地球上の過去の王が作りあげた宮殿 . . . 本文を読む
宇宙から還りし王(山稜王改題)第21回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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ケインはまるでそこ宇宙ステーションDELにいて、アンバサダ
一号を見ている一人になっている事に気づく。
アンバサダー号からの唯一の生存者はネイサンだった。
彼は年をとっていない。
果して生命保持チューブから一歩でも足を出した . . . 本文を読む