山田の案山子

日々是吉日

諦めて当然なのである しかし 諦めて希望が無い訳ではない

2013年06月20日 | 社会
若し死と云う可能性が無かったら 
全ての素晴らしい事は魅力が薄れてしまう
お伽話の様に 若し人間が死ぬ事が出来無くなったら
これ以上のものは無いと云う程の拷問である
死を運命づけられている事を どれ程 深く感謝すべきか

人間は長い歴史の中で 偶々生まれ合わせた時代の 
偶々其処に居合わせた場所で 最善を尽くして生きれば良い丈なのである
其れ以上 小さな一人の人間に何が出来るだろう

生きると云う言葉には 二つの意味がある
一つは生物として 病気もせず 勿論 死にもせずに生きる事
ふたつには 自分の心が生きる事 肉体が生きていて甲斐があると思う事
其のどちらも無かったら 此の世は地獄である

与える時は恩に着せず 趣味として与えるのが良い
夢々 相手に感謝される事だとか 
報いてくれる事だとかに決して期待すべきではない
何故なら お返しを期待する行為は 
本当の愛や友情の親切の結果では無い事は明らかだからである
相手に親切にする時には 親切をさせて頂くのである
何故なら 親切にすると云う事は 一種の喜びだから
喜びを間違いないなく受け取るのは 私達であって
見当違いの親切に困らされるかも知れない相手ではない


『失敗と云う人生はない』 曾野綾子著 海竜社刊