幸福も禍も一票から決して棄てるな尊き一票
朝日新聞『天声人語』(2013年7月19日)
与党のポスターは威勢がよろしい。〈不景気と貧乏神を追ひはらふは政友会〉。野党も〈整理緊縮/真面目で押し行く民政党/内に漲る堅実味〉と向こうを張る。1928年、普通選挙法に基づく最初の衆院選での攻防である。
▼男子に限られていたとは云え、有権者の数は急増した。投票へ行こうと呼び掛けるポスターも多彩だ。内務省は〈投票スレバ明ルクナリ棄権スレバ暗クナル〉。カラーの資料写真を眺めるだけで楽しい(玉井清『第一回普選と選挙ポスター』から)。
▼此の時のような盛り上がりを今回の参院選に求めるのは難しくても、民主政治の土台となる一人一人の選挙権の重みは変わらない。ところが、其れにしてはと首を傾げたくなる事態が起きている。
▼選挙当日の投票終了時刻は午後8時だ。少しでも多くの人が投票出来るようにと98年に2時間延ばした。これを1時間なり2時間なり繰り上げる投票所が回を追って増えている。今回は全体の約35%に公選法で云う「特別の事情」が在ると市町村が判断しているからである。
▼確かに郡部等では夜に投票する人は少ないかも知れない。しかし、ゼロとは限るまい。立会人の負担軽減、経費の節約。色々事情は在ろうが、投票機会を減らす程に「特別」か如何か。例外は有り得るとして、3分の1を超えても例外か。
▼勿論、私達有権者も問われている。28年衆院選の際の東京市の啓発ポスターにはこうある。〈幸福も禍も一票から 決して棄てるな尊き一票〉。
政治に期待が持てぬと云う人、何処の政党が政権を握ろうと此の国は変わらぬと云う人、己の一票で国が変わる訳も無かろうと云う人、投票に行くのが面倒だと云う人、誰が議員に成ろうと世の中が変わる事は無いと云う人。
所詮、素人の寄せ集め、官僚頼み・官僚任せ・官僚の言いなりの政策しか出来ぬだろうとは思う。
脱官僚を公約にしたにも関わらず、国会答弁に立つのは官僚。一期や二期の議員に政治の何が解る? 大臣も各省庁の専門知識の無い者が選任されて官僚に潰されるのが落ちだ! 官僚様々の時代が続くで在ろう。
「たかが一票、されど一票? 一票に泣く候補者も居るのだろうが・・・
テレビでは30歳や40歳のアナウンサーやタレントが今回は初めてだけど必ず投票に行く? 馬鹿丸出しの発言には驚きを通り越して呆れるばかりだ! 其れでも投票を啓発している心算か?