北坂戸フォークソング俱楽部の発起人山木ジョージです。
「贈る言葉」(おくることば)は、1979年11月1日に発売された海援隊16作目のシングル曲である。ポリドール移籍第6弾シングル。武田鉄矢ソロ時代にも矢野立美による編曲で発売された。
武田が主演するテレビドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)第1シリーズの主題歌として使われ、レコード売上が100万枚を超える大ヒットとなった(オリコンチャート上では94.5万枚を記録)。
1980年12月31日の『第22回日本レコード大賞』(TBS系)では、この曲により武田が作詩賞(西条八十賞)を受賞。また同日、『第31回NHK紅白歌合戦』にも海援隊として、6年ぶり2度目の出場を果たした。さらに、『ザ・ベストテン』(TBS系)では、1980年2月14日放映の「今週のスポットライト」で初出演、『3年B組金八先生』の生徒役らに囲まれながら当曲を歌唱披露。のち同番組には3月13日に第4位で初ランク、その後3月27日~5月1日と、6週連続して第1位を獲得。同番組には6月5日の第10位迄、通算13週間も10位以内にランクインされるロングセラーとなった。
元来は叶わなかった愛を歌うラブ・ソングとして書かれた曲であった。当の武田自身は、この曲は、福岡市中央区桜坂で「女々しか(女々しい)」という理由で当時21歳の女性(ウメダさん)にフラレて、それを契機に作られた曲(失恋ソング)である、とも語っている。別の機会には、海援隊が出演していた、福岡市天神の喫茶店「照和」の前にあった福岡スポーツセンター(現在のソラリアプラザ)前で女性にふられ「大きい声出すよ!」と去られた経験から生まれたとも語っている。しかし、『金八先生』という学園ドラマの主題歌に使われたことから、1980年以降では山口百恵の「いい日旅立ち」等とともに、学校の卒業式の定番曲ともなっている。
『3年B組金八先生』では、第2シリーズ以降も事あるごとに当曲が使用され、SPでは当曲が主題歌として使われるパターンもあったが、時期によっては武田のソロバージョンや海援隊の再結成後のレコーディングバージョンが使われたりしていた。2001年のSP10以降に当曲が使用される際は第1シリーズの海援隊でのオリジナルバージョンが使用されていて、2011年のファイナルでも同様である。
1990年代には西鉄特急の電車内で二日市到着時の車内メロディに起用された。
また、この曲は、映画『エデンの東』のテーマに影響を受けて千葉が作曲したとのことである。歌詞の一部を太宰治の小説『斜陽』の台詞を元にしたとも語っている。タイトルは、芥川賞作家・柴田翔の『贈る言葉』(1966年)からとったと、武田は語っている。
2003年にはFLOWがカヴァーしヒット、また、2004年には金八先生第6シリーズに生徒として出演した上戸彩によるカヴァーバージョンが発売され、PlayStation 2ソフト『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』の主題歌として採用された。この2つのカヴァーに対し武田は、FLOWは「ドンチャン騒ぎの卒業パーティー」、上戸は「女の子が大好きな男の子と別れるときのイメージ」と評している。その後、2010年には大橋トリオによるカバーも発表されている。