北坂戸フォークソング倶楽部の発起人 山木ジョージです。
やはり中坊の頃 川上くんから頂いたレコード
ゆるーいウキペディア転載
「ゲット・バック」(英語: Get Back)は、ビートルズの楽曲。1969年4月に発表した19枚目のオリジナル・シングルとして発売された。B面ドント・レット・ミー・ダウン
レノン=マッカートニー名義となっているが、実際にはポール・マッカートニーによって書かれた楽曲で、リード・ボーカルもポールが務めた。リードギターとコーラスは、ジョン・レノンが担当した。また、ビリー・プレストンがエレクトリックピアノで参加しており、シングル盤には「ザ・ビートルズ・ウィズ・ビリー・プレストン」と表記されている。
アルバム『ザ・ビートルズ』の制作中に露見したメンバー間の音楽性の違い、様々な軋轢、録音技術・機材の発達に伴い個別作業が増えたことによるすれ違い等、この時期のビートルズは重大な危機を迎えていた。そんな状況を危惧したポールが、「もう一度原点に戻ってやり直そう」と他のメンバーに呼びかけてスタートしたゲット・バック・セッションの中で作られた曲である。
楽曲の誕生
「ゲット・バック」のメロディは、1969年1月7日にトゥイッケナム・スタジオ(英語版)で行われたリハーサルでのジャム・セッションから出来た。その後、僅か数分でマッカートニーはいくつかの歌詞を考えだし、ジョージ・ハリスン作の「サワー・ミルク・シー(英語版)」の「Get back to the place you should be」というフレーズを変形させるかたちで「Get back to where you once belonged (元いた場所に帰れよ)」というフレーズを加えた。1月9日の時点で、マッカートニーは「Sweet Loretta Martin」から始まる2番のヴァースの詞が完成形に近い状態に仕上げていた。マッカートニーは、シングル『ゲット・バック』のプレスリリース時に、「僕らはスタジオに座って、ごく自然にこの曲を作り上げた。言葉を書き始めて、書き終わったらアップル・スタジオでレコーディングして、めまぐるしかった。」と語っている。
1980年のPLAYBOY誌のインタビューで、レノンは本作について「「レディ・マドンナ」の更新版という感じ。ちゃんと書き直した感じかな。」と語った。なお、レノンは「ポールがこの曲の Get back to where you once belonged (元いた場所に帰れよ)の部分を歌う時にヨーコの方を見ていた」とも語っている。
初期の歌詞
マッカートニーが、「ゲット・バック」の歌詞を作成していた頃、保守党議員のイノック・パウエル(英語版)による「血の川の演説」をヒントに「Commonwealth Song」と呼ばれる簡単なジャムを演奏した。 歌詞には「君は自分のコモンウェルス家に帰るのがよい」という一説が含まれていた。グループは"ゲット・バック"のための様々な一時的な歌詞を即興演奏し、"パキスタン人はいらない"のバージョンとして知られるようになった。 このバージョンは、人種差別を告発し、アメリカとイギリスの移民に対する態度を批判していた。「プエルトリコ人はアメリカにいらない」、「パキスタン人、仕事を奪ってはいけない」などの歌詞が含まれていた。
当時のタイトルは「(Don't Dig) No Pakistanis(パキスタン人はいらない)」で、当時のイギリスでは、大量のパキスタン難民が自国民の職域を侵すと問題になり、排撃すべしという空気が漂っていた。人種排撃を嫌うマッカートニーは、この状況を歌にして自国の現状を逆説的に訴えようとしてこのタイトルを考案したが、逆に歌詞を誤解されて人種排撃に繋がるとして却下され、仕方なくシンプルな歌詞に改められ、タイトルも「ゲット・バック」に落ち着いた。
レコーディング
「ゲット・バック」のレコーディングが開始される前日のセッションで、不和が酷くなったスタジオの空気を和らげることを目的に、ハリスンはキーボーディスととしてビリー・プレストンを招いた。プレストンは、本作においてローズピアノを演奏した。
1969年1月23日にレコーディングが開始され、同日に10テイク録音されたが、この日のテイクはいずれも未発表となっている。1月27日に14テイク録音され、この時点シングル収録テイクでも確認できるエンディング部分が加えられた。同日にレコーディングされた中から、テイク11が最も完成度が高いテイクとされた。翌日[2]にもう一度コーダ部分も含めてレコーディングされ、この日にレコーディングされたテイクからのコーダ部分と、前日のテイク11を組み合わせた音源が作成された。
1969年1月30日にアップル・レコード本社の屋上で行われたビートルズ最後のライヴ「ルーフトップ・コンサート」でも演奏され、映画『レット・イット・ビー』にもライブ映像が含まれている。同公演において「ゲット・バック」は3回演奏され、ラスト・ナンバーともなった3回目では、通報を聞いて駆けつけた警官にレノンとハリスンのギターのアンプの電源を切られ、ベース、ドラム、キーボードのみしか聞こえない箇所があり、間奏ではこれに言及するかたちで、マッカートニーが「You've been playing on the roofs again, and you know your Momma doesn't like it, she's gonna have you arrested!(「また屋上で遊んでしまったね、ママは好きじゃないことは知ってるだろ、逮捕されるぞ)」という語りを入れている。この時の音源は『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』に収録されている。演奏終了後、モーリン・スターキー(当時のリンゴ・スターの妻)の歓声と拍手に対して、マッカートニーが「Thanks, Mo(ありがとう、モー)」と返し、続いてレノンが「I'd like to say thank you on behalf of the group and ourselves, I hope we passed the audition.…(バンドを代表して皆様にお礼申し上げます。オーディションに受かるといいな)」とコメントした。フィル・スペクターは、1月27日に録音されたテイクの前にレノンのトーク、曲の終わりに前述のライブの最後のマッカートニーとレノンのトークを加え、アルバムとは異なるアレンジに仕上げた。
1969年4月4日にEMIのジェフ・ジャレットによってモノラル・ミックスが作成されたが、メンバーはミックスの仕上がりに不満を持ち、同月7日にシングルとして発売するために、オリンピック・スタジオにてマッカートニーとグリン・ジョンズによってリミックスが施された。
リリース
シングル・バージョン
「ゲット・バック」は、1969年4月11日にアップル・レコードからシングル盤として発売され、B面には「ドント・レット・ミー・ダウン」が収録された。シングル盤は、4月23日付の全英シングルチャートで初登場1位を獲得。その後6週連続で1位を獲得し、17週にわたってチャートインした。イギリスでの発売から約4週間後の5月5日にアメリカで発売され、5月24日付のBillboard Hot 100で1位を獲得した。キャッシュボックス誌でも5週連続第1位を獲得し、年間ランキング14位を獲得した。
シングル盤は、いずれもアップル・レコードからのリリースとなっているが、契約の都合によりEMIも楽曲の権利を持っている。また、ビートルズの作品で唯一レコーディングに参加したミュージシャンがクレジットされた例となっており、シングル盤には「ビートルズ・ウィズ・ビリー・プレストン」と表記されている。
シングル・バージョンには、チェンバー・リバーブの効果と、一度演奏がとまった後に演奏が再開されてフェード・アウトするコーダ部分が含まれている。なお、シングル・バージョンには、アルバム・バージョンにはないマッカートニーの語りも含まれている。シングル・バージョンは、1973年に発売されたコンピレーション・アルバム『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』でアルバム初収録となり、のちに『20グレイテスト・ヒッツ』、『パスト・マスターズ Vol.2』、『ザ・ビートルズ1』にも収録された。なお、1969年秋に発売が予定されていたアルバム『Get Back』には、このシングル・バージョンと、「Get Back (Reprise)」なる音源が含まれていた。
イギリスとヨーロッパ諸国では、モノラル盤が発売された最後のビートルズのシングルとなっていたが、アメリカでは本作からステレオ盤のみの発売となっていた。
アルバム『レット・イット・ビー』バージョン
フィル・スペクターは、アルバムのリプロデュースにあたり、シングルで発売されたアレンジとは異なるアレンジに仕上げた。シングルとは使用されたテイクは同じであるものの、冒頭にはレノンの「"Sweet Loretta Fart, she thought she was a cleaner, but she was a frying pan.…"(いとしのロレッタ・ファート(=屁)。彼女は自分を掃除機(または潔癖症)だと思っていたけど、実はフライパンだったのさ)」というセリフ、曲の最後には、ルーフトップ・コンサートでのマッカートニとレノンのセリフが加えられ、ライブ演奏を彷彿させるアレンジとなっている。なお、シングルバージョンでかけられていたエコーが、こちらでは除去されている。
『レット・イット・ビー...ネイキッド』バージョン
2003年に発売された『レット・イット・ビー...ネイキッド』では同作にはシングルとアルバムで使われたテイクを元に新たに編集されたものが収録されている。アルバム『レット・イット・ビー』に収録のアレンジと同様に、エコーが除去されているが、こちらではセリフなどが省略され、マッカートニーの「Wooo....」でフェードアウトして終わる。
『レット・イット・ビー...ネイキッド』の発売にあたり、レコーディング時の映像などで構成されたミュージック・ビデオが制作された。このミュージック・ビデオは、2015年に発売された映像作品『1+』に収録された。
『LOVE』バージョン
2006年に発売された『LOVE』にジョージ・マーティンと彼の息子ジャイルズ・マーティンによってプロデュースした新バージョンが収録された。
このバージョンでは、「ア・ハード・デイズ・ナイト」の冒頭のコードから始まる。曲中では、「ジ・エンド」のドラムソロとギターソロ、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (リプライズ)」のテイク1におけるドラムのカウント、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のオーケストラも使用されている。
演奏
ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、ベースギター
ジョン・レノン - リードギター、ハーモニー・ボーカル
ジョージ・ハリスン - リズムギター
リンゴ・スター - ドラムス
ビリー・プレストン - エレクトリックピアノ