ちらし寿司

2024年06月17日 | 日記

ちらし寿司

お母さんは ちらし寿司が好きだった
お父さんは 小芋の煮っ転がしが好きだった

家族で外出して 食堂に入って食事をするとき
お母さんの注文は いつでもちらし寿司だった

お母さんの亡くなった歳より十以上多く 歳を取ってしまって
お母さんの娘時代の育ちを思う

お父さんの亡くなった歳より多く 歳を取ってしまって
お父さんの奉公時代の御膳を思う

独居老人の自炊の味つけに 近頃自分は自覚する
母親が弁当箱に詰めてくれた甘辛く煮たソーセージの味

 すっかり忘れてる
栄養バランスのとれた塩分の少ない食事など
せめて忘れないように心がけてるのは
幾種類もの食後のクスリ

食事の後にクスリを飲むのやら
クスリを飲むために 食事をするのやら
どうでもよくなる

電子レンジのお陰で いつでも暖かいご飯が頂けるけど
冷めてても好いから
病気のことは どうでもいいから 
アルマイトの弁当箱に詰まった お母さんのお弁当が食べたい

スーパーの惣菜売り場に並べられているちらし寿司を見ると
お母さんに供えたくなる
お寿司の中で ちらし寿司は一番安い
小芋の煮っ転がしはないから
お父さんには半額シールの貼ったわらび餅をお供えにする

今日はお父さんとお母さんと一緒に
ちらし寿司をいただきます