A Pell of A Time / Dave Pell’s Jazz Octet
辰己哲也というトランペッターがいる。しばらくライブ通いもしていなかったので、最近の日本のジャズ事情にも疎くなっていたが、彼を知ったのは一昨年のカールサンダースのビッグバンドが来日した時の共演のライブが最初。その後フォローをしてみると、自分の好みとの接点が多いのも分かった。最近も自分のFavoriteであるボブブルックマイヤーのアルバムに興味を持っているとか。自身で作編曲もやるしビッグバンドからDuoまで色々な編成でライブにも良く登場している。
その活動の中に少し大型の編成のオクテットがある、昔はベイエリアジャズアンサンブルといってホテルにも定期的に出演してそうだが、最近は年に数回ライブハウスにといった感じらしい。その名の通り、アンサンブルとソロの絶妙なコンビネーションが素晴らしい、ウェストコーストの香りがするスマートなバンドだ。先日はこのバンドの流れから更に発展してバリトンとピアノを外した3管編成の新しいグループを作ってライブをやっていた。生憎その夜は都合が悪く行くことはできなかったが、またまた新しい試みをやっているようだ。次回は是非行ってみたいと思っている。
辰己哲也オクテットの演奏
実は彼のオクテットの元となっているのは、Dave Pellのオクテットだ。アメリカではそれなりに人気のあるグループのようでアルバムの数も多い。だがハードバップが人気の中心にある日本ではあまり有名とはいえず、一部の好事家がファンといえるバンドだ。自分もウェストコーストは好きな方だが、決してデイブペルの追っかけでもないし特に熱烈なファンでもないのだが。このアルバムを持っているのは、実はバリトンサックスにペッパーアダムスが加わっているからだ。アダムスの参加しているアルバムを追いかけてみたら、たまたまそれがデイブペルオクテットであったという次第。
1956年にこのデイブペルはバンドの一部組み換えを行った。というのも、このオクテットはきちんとアレンジされた演奏を売りにしていたが、実際に演奏する場は半分強がダンスのため、そして残り40%がクラブやコンサートホールになっていた。コンサートホールのステージでは、アレンジは”Dandy”という評価を得られたが、聴かせるグループとなるとソロの短さがネックとなっていた。そこで、ペルはこのレコーディングからはソロのスペースを広げ、よりフリーな演奏が出来るようにした。もちろん全体のアレンジの枠組みを崩さない範囲で。そこで、メンバーも入れ替えることになり、この時ロスにいたペッパーアダムスにも白羽の矢が立ったということだそうだ。
ペッパーアダムスは、スタンケントンオーケストラを辞めて、ロスを拠点として活動を開始したが、ロスでの活動期間は、ケントンオーケストラを辞めた1956年11月から翌’57年8月に自分のリーダーアルバムを制作するまでの8ヶ月間。短期間であったが、この間様々なセッションに参加し、レコーディングにも数多く参加している。アダムスが本来は東海岸の出身でニューヨークとデトロイトを活動の拠点にしていたが、ウェストコースト出身ではないかと誤解する要因は、スタンケントンへの参加と、この間リーダーアルバムの制作を含め西海岸での躍進が顕著であったからであろう。
このアルバムは、57年の1月、スタンケントンを辞めたアダムスはメルルイスと行動を供にしていたが、2人揃ってこのデイブペルのNewオクテットに参加した。リハーサル&オーディションを兼ねてハリウッドのクラブにしばらく出演後、1月17日の録音に臨むことになる。アダムスは多くの曲でソロも披露し、ペルのオクテットのリニューアルにさっそく貢献することになる。
本家Dave Pellの演奏
1. Jazz Goes to Siwash Holman 4:32
2. Suze Blues Paich 3:06
3. Grey Flannel Paich 6:41
4. Angel Eyes Brent, Dennis 5:38
5. G Tune Moer 2:42
6. Sandy Shoes Pell 5:18
7. Cameo Montrose 4:11
8. Love Me or Leave Me Charig, Furber, Lee, Weston 7:14
9. Them There Eyes Pinkard, Touble, Tracey 5:21
Dave Pell's Jazz Octet
Dave Pell (ts)
Pepper Adams (bs)
Jack Sheldon (tp)
Ray Sims (tb)
Marty Paich (p)
Tommy Tedesco (g)
Tom Kelly (b)
Mel Lewis (ds)
Suppervision : Shorty Rogers
Recorded in Los Angels, January 17,23, March 29, 1957
辰己哲也というトランペッターがいる。しばらくライブ通いもしていなかったので、最近の日本のジャズ事情にも疎くなっていたが、彼を知ったのは一昨年のカールサンダースのビッグバンドが来日した時の共演のライブが最初。その後フォローをしてみると、自分の好みとの接点が多いのも分かった。最近も自分のFavoriteであるボブブルックマイヤーのアルバムに興味を持っているとか。自身で作編曲もやるしビッグバンドからDuoまで色々な編成でライブにも良く登場している。
その活動の中に少し大型の編成のオクテットがある、昔はベイエリアジャズアンサンブルといってホテルにも定期的に出演してそうだが、最近は年に数回ライブハウスにといった感じらしい。その名の通り、アンサンブルとソロの絶妙なコンビネーションが素晴らしい、ウェストコーストの香りがするスマートなバンドだ。先日はこのバンドの流れから更に発展してバリトンとピアノを外した3管編成の新しいグループを作ってライブをやっていた。生憎その夜は都合が悪く行くことはできなかったが、またまた新しい試みをやっているようだ。次回は是非行ってみたいと思っている。
辰己哲也オクテットの演奏
実は彼のオクテットの元となっているのは、Dave Pellのオクテットだ。アメリカではそれなりに人気のあるグループのようでアルバムの数も多い。だがハードバップが人気の中心にある日本ではあまり有名とはいえず、一部の好事家がファンといえるバンドだ。自分もウェストコーストは好きな方だが、決してデイブペルの追っかけでもないし特に熱烈なファンでもないのだが。このアルバムを持っているのは、実はバリトンサックスにペッパーアダムスが加わっているからだ。アダムスの参加しているアルバムを追いかけてみたら、たまたまそれがデイブペルオクテットであったという次第。
1956年にこのデイブペルはバンドの一部組み換えを行った。というのも、このオクテットはきちんとアレンジされた演奏を売りにしていたが、実際に演奏する場は半分強がダンスのため、そして残り40%がクラブやコンサートホールになっていた。コンサートホールのステージでは、アレンジは”Dandy”という評価を得られたが、聴かせるグループとなるとソロの短さがネックとなっていた。そこで、ペルはこのレコーディングからはソロのスペースを広げ、よりフリーな演奏が出来るようにした。もちろん全体のアレンジの枠組みを崩さない範囲で。そこで、メンバーも入れ替えることになり、この時ロスにいたペッパーアダムスにも白羽の矢が立ったということだそうだ。
ペッパーアダムスは、スタンケントンオーケストラを辞めて、ロスを拠点として活動を開始したが、ロスでの活動期間は、ケントンオーケストラを辞めた1956年11月から翌’57年8月に自分のリーダーアルバムを制作するまでの8ヶ月間。短期間であったが、この間様々なセッションに参加し、レコーディングにも数多く参加している。アダムスが本来は東海岸の出身でニューヨークとデトロイトを活動の拠点にしていたが、ウェストコースト出身ではないかと誤解する要因は、スタンケントンへの参加と、この間リーダーアルバムの制作を含め西海岸での躍進が顕著であったからであろう。
このアルバムは、57年の1月、スタンケントンを辞めたアダムスはメルルイスと行動を供にしていたが、2人揃ってこのデイブペルのNewオクテットに参加した。リハーサル&オーディションを兼ねてハリウッドのクラブにしばらく出演後、1月17日の録音に臨むことになる。アダムスは多くの曲でソロも披露し、ペルのオクテットのリニューアルにさっそく貢献することになる。
本家Dave Pellの演奏
1. Jazz Goes to Siwash Holman 4:32
2. Suze Blues Paich 3:06
3. Grey Flannel Paich 6:41
4. Angel Eyes Brent, Dennis 5:38
5. G Tune Moer 2:42
6. Sandy Shoes Pell 5:18
7. Cameo Montrose 4:11
8. Love Me or Leave Me Charig, Furber, Lee, Weston 7:14
9. Them There Eyes Pinkard, Touble, Tracey 5:21
Dave Pell's Jazz Octet
Dave Pell (ts)
Pepper Adams (bs)
Jack Sheldon (tp)
Ray Sims (tb)
Marty Paich (p)
Tommy Tedesco (g)
Tom Kelly (b)
Mel Lewis (ds)
Suppervision : Shorty Rogers
Recorded in Los Angels, January 17,23, March 29, 1957