A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ビッグバンドのリーダーだけでなく、ジャムセッションリーダーとして適役と見込まれたのは?

2014-11-17 | CONCORD
Volume 3 Woody Herman Presents A Great American Evening

高齢者というと何歳からか?
以前は60歳、還暦を迎えると年寄りの仲間入りだった。
最近では高齢者というと65歳、60歳はまだまだ元気、定年も延長される世の中では還暦は年寄りの仲間入りにはまだ早すぎる。

65歳になるとやっと高齢者の仲間入り、健康保険証とは別に介護保険の保険証が届く。これが来ると何となく年寄りになった実感が沸く。気のせいか体力的な衰えも感じるが、これから鍛え直すには手遅れだ。

次なる節目は70歳、やはり60代とは違うのだろうが自分がどうなるかは想像できない。しかし、今日会社時代の先輩の集まりがあった。自分以外は全員70代以上だったが、何か異様とも思えるくらい皆揃って元気溌剌だった。このグループが別なのかもしれないが。

そして、次がいよいよ75歳、医療費も別扱いになり後期高齢者となる。ここからが本当の年寄りなのだろう。最近健康寿命という言葉を良く聞く。とりあえずここまで行くのにあと10年、何とかゴルフができる位の健康は維持したいものだ。

ジャズのミュージシャンでも生涯現役でプレーを続ける元気者は多い。ウディーハーマンもその一人だろう。このアルバムが録音されたのが1983年、ハーマンは1913年生まれなので、まさに70歳を迎えようとしていた頃の演奏だ。
単にプレーを続けているというのではなく、リーダーとしてもまだ大活躍をしていた。ハーマンは演奏活動自体が好きだったということもあるが、大きな負債を抱えていてこれを返さなければという事情も、常に演奏活動にオブリゲーションを与えていたようだ。

ハーマンは色々なレーベルに録音を残しているが、晩年の演奏はConcordに残されている。
自らのオーケストラの演奏は、1979年のモンタレー1981年のコンコルドジャズフェスティバルに登場し、そのライブアルバムがある。
その後も日本でのライブがあり、そしてハーマンのラストアルバムは、亡くなる年の1987年の録音となる。まさに生涯現役であったが、ビッグバンド一筋に生きてきたハーマンに相応しく、このラストアルバムもビッグバンド物であった。

コンコルドではこれらのビッグバンドリーダーとは別のハーマンの顔を捉えたアルバムを出している。ハーマンは昔から自分のオーケストラ以外にも色々なアルバムにゲスト出演することが多いが、コンコルドではWoody Herman Presentと銘打ったアルバムを出していた。これが3枚目になる。

これらは、ジャムセッションリーダーとしてのハーマンの才能をアピールしたものだ。
ジャムセッションを上手くやる秘訣はいくつかあるようだが、このハーマンは適役だということでこのシリーズができた。

一作目はコンコルドパビリオンの大きなステージでのライブ2作目はニューヨークのスタジオでの録音であったが、これは4人のテナーを揃えたフォーブラザースの再現でもあった。
そして、今回はサンフランシスコのGreat American Music Hallでのライブ。ここではメンバー達の実にリラックスした親近感を覚えるプレーが聴ける。

いきなり、ハーマンのボーカルとクラリネットが大きくフィーチャーされてスタートする。ハーマンは時々歌を聴かせてくれるが、このアルバムではクラリネット同様登場機会は多い。
ハーマンは盛り上げ役と纏め役としての責務は果たしているようだが、他のメンバーは熱がこもっているものの、お祭り騒ぎになることなく淡々とプレーをしている。コンコルドの常連メンバーにしてみれば、普段の演奏もジャムセッションのような物、ステージに立ったからといって改めて演奏スタイルを変える必要はないのかもしれない。
その中で、北村英治と少し前に口笛でデビューアルバムを出したロンマックロビーはゲスト役でのジャムセッションの舞台、緊張していたかもしれない。北村英治はお得意のアバロンで、マックリビーはウェイブで無事出番を終えた。
纏め役のハーマンの進行も的を得ていたのかもしれないが、クールな優等生が多いコンコルドのメンバーにはあまりノリノリになるリーダー役は不要のようだ。ハーマンの歌と演奏が少し浮いて聴こえてくるが、ステージはハーマン大得意のカルドニアで幕を閉じる。

大きな舞台を上手く纏めるのはやはり場数と年の功。ハーマンの役割が重要だったのだろう。

1. I've Got the World on a String  Harold Arlen / Ted Koehler 6:33
2. I Cover the Waterfront   Johnny Green / Edward Heyman 4:34
3. Leopard-Skin Pill-Box Hat            Bob Dylan 3:48
4. Avalon       Buddy DeSylva / Al Jolson / Vincent Rose 6:04
5. A Beautiful Friendship     Donald Kahn / Stanley Styne 5:17
6. Pennies from Heaven    Johnny Burke / Arthur Johnston 4:23
7. Wave                 Antonio Carlos Jobim 6:18
8. Caldonia                   Fleecie Moore 5:37

Woody Herman (cl,Vol)
Scott Hamilton (ts)
Eiji Kitamura (cl)
George Masso (tb)
Ron McCroby (puccolo)
Jack Sheldon (tp)
Cal Collins (g)
Nat Pierce (p)
Bob Maize (b)
Jake Hanna (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwards
Recorded live at the Great American Music Hall, San Francisco April 1983

Originally released on Concord CJ-220


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