Musica Del Mar / Peter Sprague
ジャズの世界で両刀使いといっても色々ある。楽器とボーカルとか、違う楽器をこなすとか、メインストリームとフュージョンとか・・・・。今回は、ギターのエレキとアコースティック、そしてジャズとクラシックの両刀使いの新人。コンコルドのアルバムを順番に紹介してきて、今は丁度1983年の録音の辺り。この頃の新人といっても、今では30年の月日が経ち皆大ベテランになっている。最近の映像を見るとすっかり貫禄がついて、両刀使いの方もエレキとアコースティックのダブルネックのギターを使っているようだが。
演奏ぶりはこちらで、
その新人とは、ピータースプレイグ。
コンコルドにはエミリーレムラーの3枚目のアルバムに続いての登場だ。見掛けはラテン系の感じだが、生まれはアメリカオハイオ州の生まれのカリフォルニア育ち。ボストンに行っている時に、サージチャロフの母親にクラシックを学んだとある。このチャロフの母親というのは時々登場するが、ボストンでは名の通った教育者であったのだろう。この時一緒にクラシックギターを学んだので、両刀使いになったようだ。
コンコルドでは新人だが、調べてみるとそれ以前にサナドゥーでアルバムを作った事があるようなので、これが初アルバムという訳でもなさそうだ。
という訳でもないと思うが、一曲目を聴いてもなかなか貫禄のあるストレートアヘッドなプレーぶり。この曲のギター演奏というと、エバンスとジムホールの演奏を思い出すが、ここでのバックはピアノのジョージケイブルを始めとする若手の実力者。エバンスの演奏よりアップテンポでグイグイ行く。このトリオのバックも新鮮だ。ケイブルといえばアートペッパーの復帰後に一緒にプレーをしていたピアニストだった。ペッパーが亡くなったのが1982年、その翌年の録音という事になる。
当時の新しいギタリストというとフュージョン系も多く、また新しい感覚のギターを弾く新人が多い中で、正統派のど真ん中という感じだ。ところが、タイトル曲の自作のMusica Del Marになると、カリプソのリズムに乗ったラテンタッチの演奏を聴かせてくれる。そして両刀使いの本領発揮は、メドレーの最初で奏でるクラシックギター、最後の曲ではバッハのインベンションから始まる。結局は、両道使いどころか、若くしてオールラウンドプレーヤーだったようだ。
コンコルドではその後もアルバムを出したが、その後はフォローすることも無かった。地元サンディエゴを中心に西海岸で活動し、ギタリストだけでなくプロデューサー、レコーディングエンジニアなどで関わったアルバムは200枚近くとか。
両刀使いどころか、オールマイティーの実力者であった。
カールジェファーソンは、またもや才能ある若手を発掘していたことになる。アルバムに駄作が無いのと同様、新人発掘にも外れが無かったように思う。
デビュー当時の演奏はこちらで、
I. Hear a Rhapsody Jack Baker / George Fragos / Dick Gasparre 4:55
2. My Folks' Song Peter Sprague 6:08
3. Just One of Those Things Cole Porter 4:50
4. Medley:
You Stepped Out of a Dream Nacio Herb Brown / Gus Kahn 1:31
Chick's Tune Chick Corea 4:05
5. Musica del Mar Peter Sprague 6:25
6. I Thought About Y James Van Heusen / Johnny Mercer 6:36
7. Medley :
Invention in D J.S.Bach 1:08
Chanting With Charles Peter Sprague 5:18
Peter Sprague (g)
Gerge Cables (p)
Bob Magnusson (b)
Eddie Moore (ds)
Produced by Carl Jefferson & Chris Long
Recorded at Coast Recorders, San Francosco, November, 1983
Recording Engineer : Phil Edwards
Originally released on Concord CJ-237 (所有盤はユピテルの国内盤)
ジャズの世界で両刀使いといっても色々ある。楽器とボーカルとか、違う楽器をこなすとか、メインストリームとフュージョンとか・・・・。今回は、ギターのエレキとアコースティック、そしてジャズとクラシックの両刀使いの新人。コンコルドのアルバムを順番に紹介してきて、今は丁度1983年の録音の辺り。この頃の新人といっても、今では30年の月日が経ち皆大ベテランになっている。最近の映像を見るとすっかり貫禄がついて、両刀使いの方もエレキとアコースティックのダブルネックのギターを使っているようだが。
演奏ぶりはこちらで、
その新人とは、ピータースプレイグ。
コンコルドにはエミリーレムラーの3枚目のアルバムに続いての登場だ。見掛けはラテン系の感じだが、生まれはアメリカオハイオ州の生まれのカリフォルニア育ち。ボストンに行っている時に、サージチャロフの母親にクラシックを学んだとある。このチャロフの母親というのは時々登場するが、ボストンでは名の通った教育者であったのだろう。この時一緒にクラシックギターを学んだので、両刀使いになったようだ。
コンコルドでは新人だが、調べてみるとそれ以前にサナドゥーでアルバムを作った事があるようなので、これが初アルバムという訳でもなさそうだ。
という訳でもないと思うが、一曲目を聴いてもなかなか貫禄のあるストレートアヘッドなプレーぶり。この曲のギター演奏というと、エバンスとジムホールの演奏を思い出すが、ここでのバックはピアノのジョージケイブルを始めとする若手の実力者。エバンスの演奏よりアップテンポでグイグイ行く。このトリオのバックも新鮮だ。ケイブルといえばアートペッパーの復帰後に一緒にプレーをしていたピアニストだった。ペッパーが亡くなったのが1982年、その翌年の録音という事になる。
当時の新しいギタリストというとフュージョン系も多く、また新しい感覚のギターを弾く新人が多い中で、正統派のど真ん中という感じだ。ところが、タイトル曲の自作のMusica Del Marになると、カリプソのリズムに乗ったラテンタッチの演奏を聴かせてくれる。そして両刀使いの本領発揮は、メドレーの最初で奏でるクラシックギター、最後の曲ではバッハのインベンションから始まる。結局は、両道使いどころか、若くしてオールラウンドプレーヤーだったようだ。
コンコルドではその後もアルバムを出したが、その後はフォローすることも無かった。地元サンディエゴを中心に西海岸で活動し、ギタリストだけでなくプロデューサー、レコーディングエンジニアなどで関わったアルバムは200枚近くとか。
両刀使いどころか、オールマイティーの実力者であった。
カールジェファーソンは、またもや才能ある若手を発掘していたことになる。アルバムに駄作が無いのと同様、新人発掘にも外れが無かったように思う。
デビュー当時の演奏はこちらで、
I. Hear a Rhapsody Jack Baker / George Fragos / Dick Gasparre 4:55
2. My Folks' Song Peter Sprague 6:08
3. Just One of Those Things Cole Porter 4:50
4. Medley:
You Stepped Out of a Dream Nacio Herb Brown / Gus Kahn 1:31
Chick's Tune Chick Corea 4:05
5. Musica del Mar Peter Sprague 6:25
6. I Thought About Y James Van Heusen / Johnny Mercer 6:36
7. Medley :
Invention in D J.S.Bach 1:08
Chanting With Charles Peter Sprague 5:18
Peter Sprague (g)
Gerge Cables (p)
Bob Magnusson (b)
Eddie Moore (ds)
Produced by Carl Jefferson & Chris Long
Recorded at Coast Recorders, San Francosco, November, 1983
Recording Engineer : Phil Edwards
Originally released on Concord CJ-237 (所有盤はユピテルの国内盤)