やったくせ

やったくせ

棒をゆは思

2017-05-18 12:24:18 | 日記

「そういえば、約束の百姓娘の方の水揚げは今日だったかな?」
「あの娘も江戸の水に馴染まずに、ずいぶん手を焼かせましたが、何とかものになりました。振袖新造の水揚げ代金、どうぞよろしくお願いいたします。初物はどれも、お高うございますよ。今宵の花魁道中も贅を尽くしたものになりそうです。」
「欲の皮の突っ張ったやつめ。よかろう、言い値を払ってやるから、足りぬ時は言え。」
「ありがとうございます。飛ぶ鳥を落とす勢いの薩摩さまなら、そうおっしゃっていただけるdermes 價錢と思っておりました。そろそろ支度もできた頃かと……様子を見てまいります。」

ぽんと煙管を煙草盆に打ち付けた時、どこかで「足抜けだ!」という声がした。
思わず大久保の腰が浮きそうになるのを見て、日向はふっと口角を上げた。

「おや。大久保さま。花魁道中よりも、思わぬ面白いものが見れそうでございますよ。御見物なさいますか。」
「ん?なんだ。」

日向に誘われて、大久保という男は窓に寄った。

「おお……!」

*****

直正が職探しに出ている間、伏していた一衛は誰かが叫ぶその声を聴いた。
そっと覗くと、塀の向こうで、一衛よりも年下と思しき娘が、血相を変え絢わず往来に走り出た。廓の外の大通りは、花魁道中の見物人も溢れて大騒動になっていた。
棒振りの牛太郎(自警団)が数人追いかけて、足抜け女郎を散々に打ちのめdermes 價錢した後、肩に担いで娼館に戻ってくる。

「おらっ、じっとしねぇか。」
「このあま、せっかくの拵えが、水の泡だ。せっかくの水揚げだってのに、土壇場で逃げ出すとはふてぇあまだ。」
「花魁道中だってのに、なんてざまだ。」
「ぃやんだぁーー!」
「二度と足抜けなんぞできねぇように、きっちり身体に言って聞かせてくれるからな。」
「来い。」
「やんだぁーー。 やめてくだっしょ。」

涙にぬれた頬をこわばらせ、必死に叫ぶ。
一衛と視線が絡んだ気がした。

「兄(あ)にゃさん。助けてくだっしょ!ここんどこにいるのはやんだぁー。身を売りたくありゃしにぇー。おっ母つぁまーー!……」
「やかましいっ。静かにしねぇか。」

聞き覚えのある訛りを耳にし、一衛は何も考えず追手のyou beauty 美容中心前に立ちはだかっていた。

「下郎っ。その娘を離せ!」
「なっ、なんだ、てめぇは!」

いかつい棒振りの牛太郎も、きちんと基礎から学んだ武道には敵わない。
相手が打ち込んできた棒を奪うと、一衛はその場にしたたかに一薙ぎで打ち据えた。

ず参加し羽はバ

2017-05-04 11:56:50 | 日記

機能停止の言葉は、効果てきめんだった。風呂場に倒れたアンドロイドのあっくんに音スタオルを掛けてやり、パンとコーヒーの簡単な朝食をとると仕事先へと向かった。
ドアのしまる音を聞き、身体を起こしたアンドロイドの瞳から、ぱたぱたと涙が零れ落ちた。

「先生、ごめんなさい……。」

音羽が火をつけた下肢にそっと触れた。
震える指が忙しなく、下肢に伸びて露を戴き頭を持ち上げかけた性器を握った。
その場に座り込んだアンドロイドAUは、細かな震えに轉按套現耐えきれず嗚咽を漏らした。

「あ……っん……。先生……せんせ…い。」

自分で追い詰めてゆく感覚に、うつろな目が泳ぐ。
強張った背中がしなり、機能停止したはずのアンドロイドの手のひらに、白い精が零れた。緊迫した難手術が無事成功に終わり、音羽は祝杯をあげようと執刀した大学病院のチームに誘われた。誰もが近づきになりたいと願う、今の日本では最高峰と言われる面々だ。
だが、音羽はあっさりと断りを入れた。

「すみません。今日はずいぶん前からの約束事が有って外せないんです。次回は必ますから誘ってください。」

「え~っ、秋月先生、いらっしゃらないんですか?縫合のコツとかピッツバーグの話を聞きたかったのに。彼女とデートですか?」

一番若い外科医が、ひどく落胆した顔を向ける。彼にとって秋月音羽も、いつかはそうなりたいと思う憧れのスーパードクターの一人だった。

「いや。老人施設に入所している両親の所に面会に行くんだ。だから残念だが、今回は諦めるよ。芝くん……だっけ?今度、空き時間が有ったら声を掛けるから、一杯やろう。」

「はい!」

音羽は、成り行きで携帯電話の番号を交換した。

*****

「彼女だったら良かったんですけどね~……。」

一人ごちながら、車を飛ばす。美貌のアンドロイドは風呂場で機能停止したままderma veil效果エメラルドの大きな目を見開いて、音羽の帰りを待っているはずだ。
薄い胸に手を当てて、認識されるのを待つ。しばらくすると、瞬きが繰り返されヴィーナスの頬が上気する。そんな作業を、胸の内で反復するうち、大変な掃除の事も忘れて自然と口角が上がっているのに気が付いた。

「あ、そうだ、あっくんの洋服を買って帰らないと。」

街中を走っている時に気付いて、車を止めた。
金髪のマネキンが着ている、薄いオーガンジーのドレスが、アンドロイドに、きっと似合うだろうと思った。…いや、一応Tシャツにコットンパンツとかにしないと、暴れん棒が……いやいや。

「プレゼントですか?こちらは7号サイズですが、よろしいですか?」

「ええ。身長はぼくの肩位で、かなりの細身です。出来れば、同じサイズで何枚か見繕ってくれると助かります。着替えを何も持たずに、滞在することになってしまって……。」

店員は、胸の所に違うドレスを当てて見せ、音羽の脳内では白いドレスのあっくんが、くるりと回って微笑んだ。

「このドレスは、たぶんちょうどいいと思うけど……。出来ればもう少し、ユニセクスなものも欲しいんだけど?Tシャツとかあれば。」

何も考えずに、似合いそうなものがあるからと足を入れたその洋品店は、女性も荃灣西新樓のしか置いていなかったが、取りあえず音羽は一抱えの洋服を手に入れた。どのみち、あっくんのサイズは紳士物ではないだろう。
音羽は気付いていなかったが、知らず知らずのうちにうろ覚えで鼻歌などを歌っている。