槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

槍平小屋ニュース 20190909

2019年09月09日 | 日記

(お知らせ)9月連休の満室日について 20190908更新

槍平小屋ホームページ /facebook/instagram ご宿泊予約について 

(説明)滝谷渡渉部ライブカメラ


(重要)南岳新道の現状について 20190807更新    

滝谷避難小屋付近落石の件


 

関東地方に上陸した台風15号の被害状況をニュースで見たのですが、想像以上の被害となっていました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。本日はやはり公共交通機関運休の影響で、ご予約頂きながらも入山出来なかったお客様からのご連絡も頂きました。

 一般的には台風接近時、進路予想上の明らかに影響が出るとみられる地域では、公共交通機関は計画運休となったり、商業施設やテーマパークは時短営業、または休業の措置がとられます。理由を細かく分ければいくつもあると思うのですが、中でも重要なことは”利用者の安全が確保出来ない”ということになろうかと思います。そして、そのニュースに接する度に考えることがあります。

「では、登山道がそのような悪条件になると明らかに予想される時、山小屋がとるべき態度とは・・・」

槍平小屋では従来、明らかな悪天候が予想される台風の進路予想が出た時点で、悪天候該当日にご予約を頂いているすべてのお客様へ直接連絡させて頂き、入山日の変更、またはキャンセルのお願いをしております。そして、ここ数年に関しては、該当日についての新規宿泊ご予約の受付停止を新たに加えました(台風上陸予想日の2日程度前より)。

ご予約の受付を停止するということは、宿泊業にとっては大きな決断となります。しかしながら、これには実は大きなメリットが2つあります。まず、現地山小屋が宿泊受付停止をすることで、登山者の皆様に事態の重大性(危険性)をお知らせ出来る、という点。そして、もう一つ。これはとても残念な出来事から導き出されたことでもあるのですが、事実としてお知らせいたします。2014年8月、滝谷渡渉部で死亡事故が起きてしまった後、そのニュースは複数の登山者の方が亡くなったこともあって全国ニュースで報道されました。結果、その後数週間に渡り、団体ツアーの方を含め、快晴の登山日和であってもご宿泊予約のキャンセルが続出することとなりました(登山道はまったく平常通りに通行出来る状態であっても)。悪天候時のご宿泊予約受付を停止すること(入山者を出さないこと)は、登山者の方々の生命を守るだけでなく、今後山小屋の営業をこの場所で長く続けていく上では、結果的にメリットとなり得る、winwinの関係であると確信しております。日本中には数多くの山小屋があり、それぞれの場所から、登山者の方々の安全を第一に考えた情報が発信されているはずです。北アルプスだけでなく、今後登山をなさる地域の山小屋から発信されている情報をしっかり掴んで、より安全な山行をお楽しみ下さい。

本格的な台風シーズンを迎え、少し長い文章になってしまいましたがご容赦下さい。

 

それでは本日の気象情報。

午前6時。

 

午後6時