槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

槍平小屋ニュース 20190928

2019年09月28日 | 日記

※ 2019年シーズンの最終営業日は10月14日(月・祝)夜のご宿泊となります。

(今シーズン最終案内!)追加料金なし!個室ご利用予約のお知らせ

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(説明)滝谷渡渉部ライブカメラ


(重要)南岳新道の現状について 20190807更新    

滝谷避難小屋付近落石の件


客室(クロユリ)から槍平の紅葉風景。日毎に色づいてきました。ダイナミックな穂高連峰の風景もこの窓から楽しめるのですが、冷たい雨がそぼ降るこんな日は、静かに目の前の景色を楽しむのも悪くないものです。”食欲の秋”はずいぶんご紹介したので(笑)、今日は”読書の秋”で。

ネット、スマホの普及で読書離れも顕著な今日この頃。更新担当のようにアラフィフ世代も例外ではないのですが、ふと、「たまには本でも読むか!」と思うことが一年のうちに何度かあります。今シーズンの入山前には”マチネの終わりに”を読み、平野啓一郎×村治佳織トークライブにまで足を運んでしまいました。ただ、トークライブの内容はあんまり覚えてなくて「村治佳織、綺麗~!!!」という、本来の趣旨からは全く外れた感想のみが残っています(笑)。

そんな読書姿勢ではあるのですが、今読んでいる本が”最期の絵~絶筆をめぐる旅~”(窪島誠一郎 著)です。岸田劉生、梅原龍三郎、香月泰男、長谷川利行などを例に、人生の最期に描いた作品を紹介し、その画家の波乱の人生、生い立ちが紹介されています。そして、読み進むうちに、ふと、こんなことを思いました。「人生の終わりに、”最期の山”が必ずあるのでは」と。槍平小屋をご利用頂くお客様の年齢層は幅広いのですが、80代のお客様にもご利用頂くことが時々あります。それも、ほとんどが単独行の方。我が身を振り返って、同じ年齢になった時に3000m峰を目指す気力、体力があるだろうか、と考えると全く自信がありません。けれど、もし「人生最期に登山をする山を選べ」と言われたら、自分はどうするだろうか、と考えてみました。まずそれは、初めて行く山ではないような気がしました。そして、パッと頭に浮かんだのは、生まれ故郷の山でした。福岡出身の更新担当、宝満山の頂上から見える玄界灘、博多湾のキラキラは、インドやネパール、パキスタンで目にしてきた高峰の圧倒的な存在感とは別の、懐かしい優しさを感じさせてくれます。そして、その最期の登山では、写真を撮ったり、SNSへ投稿したりすることもないだろうな、と想像しています。20代、30代の頃には気付きも考えもしなかったことですが、年を重ねる自分に、出会って来た山々はこんなことをこれからもたくさん教えてくれるような気がします。皆様もこれからの長い長い(ハズ!)登山人生を、無理なくご自分のスタイルで、どうぞ楽しんで下さい。秋の夜長に、ちょっと長いお話でした。

 

それでは本日の気象情報。

午前6時。

 

午後6時。