生前、父が大切にしていた葡萄の木。
実家で手入れが出来なくなり放置されていたものを、
6年ほど前に持ち帰り、我が家の庭に移植したものです。
たった50センチくらいの枯れ木みたいな葡萄の老木でした。
移植した当初は、葉も芽も出る気配がまったくなくて「やっぱり枯れてしまったか」と。
だけど、数年してから、いきなりグングン伸び始めて・・・。
今では2階のベランダに届く勢いです。
剪定の仕方も分からず、実りも少ない葡萄の木。
それでも、今年も緑の葉っぱが見られただけで充分満足。
そして少しは実りもありそうです。
葡萄の葉陰の下に立つと。
さわやかな香りがします。
実がつく前から、不思議と葡萄の香り。
もう逢えなくなって6年以上が経つのに、
葡萄の木の下に立つと、父がここにいるような。勝手にそんな気持ちになって。
(葡萄の品種を教えてほしいけど、もうそれは叶わない)
・・・・・・・
人は時間の経過に癒されて、生きていけるんだなあと。
そんなことを思います。
辛かったこと全部、全部。
たった今起こった出来事のように、心を痛めていたら大変だ。
時間がたって、少し忘れて。記憶が少し遠くなって。
それでもちゃんと覚えていて。
ほんの少し、やさしい記憶の欠片になって。
そうやって、日々を紡いで少しずつ。
自分に残された時間を大切に、慈しんで。
葡萄の香りが連れてくる思い出は、ちょっぴり切なく懐かしい。
そして実った葡萄を口にすると、幼い頃の思い出が一気によみがえる。
私にとっては、心まで甘く酸っぱくなるひとときなのです。
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