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ええ年こいた虫好きおっさんが、介護をしながら、かつ自己の療養を兼ねて、基本的人権の範囲で、遊んでいるブログです。

1匹の虫採集からわかること。

2024-09-11 10:55:00 | 
たくさんあるんですよ。
まず、この大型コオロギ(多分皆さんにとっては、普通のサイズ)を、ワンハンドキャッチ(片手が買い物袋で塞がっていたので)、しかも無傷で採集できた事から、私の脳と身体の連携、虫との間合いの取り方など、基本機能が回復に向かっていることが、根拠としては薄いながら、感覚的に分かります。
次に、採集個体がオス成虫であり、まだ後翅が残っていることが、これまでの知識から分かります。
後翅が残っているというのは重要な情報です。なぜなら、コオロギの多くは、成虫になって一定期間が経つと、後翅を自ら外す、あるいは脱落するなどする事が多いからです。
理由はまだあまり解明されていなかったと思いますが、1.羽化(成虫になること)後数日で新天地を目指して飛翔し、2.その後不要になった後翅を落とし(種によって様々です)、3.かつ、あるいは、飛翔に使った筋肉を消化し、エネルギーに変換する事などが、報告されています。
採集時の様子を思い出すと、この個体は、不思議なことに、イネ科植物の先端という、危険極まりない場所に、上を向いて静止していました。夕暮れも迫り、コウモリが飛び交い始めており、近くでは、チゴハヤブサと思われる野鳥が、餌を取り続けているのに、です。
つまり、危険を知りながら(昆虫の知能は我々と全く異なっており、表現は、読者に分かりやすく擬人化しています)あえて新天地に飛びたとうとしていた事が推測されます。
従って、私がワンハンドキャッチできたのは、警戒をあえて解いて、飛翔の準備に専念していたためであろう事も、また推測できます。
さらに、本種がエンマコオロギの仲間であり、顔の模様から、エンマコオロギであろうと推定しました(現在、従来の顔の模様による判別は否定され始めており、特にエゾエンマコオロギとエンマコオロギの判別は、現時点ではオス交尾器を見ないと判別出来ません)。
太平洋ベルト地帯以南では、タイワンエンマコオロギ(在来種です)が主であると聞いていたのが10年以上前ですが、これがエンマコオロギだった場合、少なくともタイワンエンマコオロギに駆逐された訳ではない、と分かります。幸い、オスなので、交尾器(ほぼ裸出しています)を検討することが出来ます。

また、オスなので、飼育していれば、鳴き声を楽しむ事ができそうですね(笑)。

2024.09.11加筆
うーん、動画はup出来ないのかな?
鳴いてますよ、夜になったら。


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