オメガねこ

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「文字」 と 「文明」

2020年11月10日 | NHK
 「世界四大文明」は、誰が言い始めたかが不明な造語で、20世紀以降の日本や中国でのみ用いられ、2000年に「NHKスペシャル」で『四大文明』というタイトルで特集番組が放送され、更に恥の上塗りで関連書籍も出版されました。「世界四大文明」がフェイクである事は世界の常識ですが、勿論その中には長江文明は入っていません。

 
支那大陸の歴史で、長江流域の四川省あたりでは紀元前2000年以前から「巴蜀( はしょく)文字」が使用されていたとされ、それが「長江文明」の始まりではないかとされています。勿論、それ以前にも支那大陸全土で様々な遺跡が発掘され、紀元前6000年くらいの文化遺跡も発掘されているそうです。

 一説では、「文化(Culture:カルチャー)」は耕作(Cultivate:カルチベート)が語源とされていて、畑作や水田の痕跡が有れば「文化」が有った事になります。つまり、文化を持っている民族はその土地に定住することが出来るのと引き換えに、耕作地を守る必要が有る為、他の土地を侵略する余裕が無くなります。

 一方、「文明(Civilization)」には「市民(Civil)」が不可欠で、集落が拡大して「不労(所得)者」が発生し、これらが市民となり都市が成立します。初期の「文明」も耕作が中心ですが、その土地で働かないで生活を維持するためには、耕作者を守って食わせてもらうか、耕作者から作物を奪い取るしかありません。

 都市が発展し、不労所得者が増えると、その名の通り「働かない」ので考える時間が出来て、以前のように「会話」と「絵文字」で意思の伝達をするのが不便なことから「共通文字」を発明しました。この「文字」が情報革命を齎し「文明」を確たるものにし、「不労所得者」と「耕作者」の地位を逆転する事に成功し、領土拡大が本格的に始まりました。

 「長江文明(紀元前2000年)」以前には「良渚文化(りょうしょぶんか:紀元前3300年~前2200年)」が有って、稲作で発展したそうです。その稲作技術が黄河流域まで伝わって「黄河文明」が成立したと云うのが現在での通説になっています。

 「良渚文化」は「絵文字(巴蜀文字」を使用して「長江文明」に発展したのですが、大きな洪水が起きて弱体化した隙に「漢字」を作った「黄河文明」によって浸食されていったようです。それでも「長江文明」の系譜である「四川文明」では、秦(紀元前400年)によって征服されるまで「絵文字(巴蜀文字」を使用していたと言われています。

 実は、「中国漢字」を使っていた民族を「漢民族」と云うのではなく、黄河流域で「漢字」を発明した民族を「漢民族」と言い、長江流域に住んでいた民族とは遺伝子情報から見ても別の民族だそうです。

 黄河文明の「甲骨文字⇒漢字(紀元前1300年)」は、シナ・チベット族の漢人モンゴロイド(コーカソイドも含む)で漢民族を生みました。

 長江文明の「巴蜀文字⇒漢字(紀元前400年)」は、オーストロアジア語族で、漢民族ではありません。

 漢字は、その機能性から侵略のツールとして使われ、日本以外の支那大陸周辺で漢字を使用しなくなったのは、自国を侵略から守る為と思われます。但し台湾は、米国の無知によって当時支那大陸を支配していた「中国国民党」に統治が任されたせいで、中国漢字を強制され、現在も危うい状況にあります。

 日本も「漢民族漢字」を利用しましたが、仮名漢字交じりの上文法も違うので、「中国漢字」は外国語でしかありません。アルファベットやアラビア数字と同様に、便利だから使用しているだけです。若しも、漢字を使っているから「漢字文化圏」と言うのなら、アラビア数字も使っているので「アラビア文化圏」にもなります。




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