おざわようこの後遺症と伴走する日々のつぶやき-多剤併用大量処方された向精神薬の山から再生しつつあるひとの視座から-

大学時代の難治性うつ病診断から這い上がり、減薬に取り組み、元気になろうとしつつあるひと(硝子の??30代)のつぶやきです

人体の臓器が単体で機能しないように、人や国家も単体では機能しない-「持続可能な社会」を考える②-

2023-11-14 06:42:28 | 日記
「汝自らを知れ」
(デルフォイの神託)

資本主義の良い面は、
市場の不均衡が税金や助成金、規制によってそれなりに容易に是正できるころである。
一方、悪い側面は、税金、助成金、規制条項に関連した不正が簡単に行われることであり、
優遇されている者はさらに優遇され、不利な立場にある者は、さらに不利になる。*1

私たちの税金や規制の規定の多くは、
産業界などのロビイストによって起草されていることもあり、
それが公共の利益や将来の世代を犠牲にして、
産業界の短期的利益を重視するものになっていることは、今さら驚くにはあたらないだろう。(→と描いていながら私は、心ならずも毎回驚いてしまうのだが......。)*2

さらに、残念なことに、
私たちの周りにある経済政策は、すべて、
致命的欠陥のある正反対の思想に基づいている。
まず、
絶え間ない経済成長は、国が生き残るために本来よいことであるだけではなく、基本的に必要不可欠である、という想定から始まる。
だから、
経済成長が妨げれれば、「景気後退」、「不景気」などとなり、人々にもっと金を使わせ消費させるための苦肉の財政・金融政策によって景気を「好転」させる。
その結果、歪んだ、かつ不均衡な事象が生じる。
GDPの内70%は結句私たちの役には立たない製品に対する個人消費に由来しているという試算がある一方で、もっと効率的で持続可能な社会につながるインフラプロジェクトや研究、人材育成のための支出はどう見ても少なすぎる、
という事象もその一例である。*3

ところで、
人間の体が健康に機能しているのは、あらゆる細胞がその役割をわきまえ、他のあらゆる細胞と十分協力し合っているからである。
ある臓器の細胞が他の細胞を犠牲にして自分勝手に増殖したら、それは、がん細胞と呼ばれるものとなる。

確かに、人間の内臓同士が日々協力し合うことには期待できても、なかなか、異なる人間同士が完全に協力し合うことは、たとえ、近しい関係にあったとしても、期待は出来ないであろう。
人間の個体内で出来ていることが、人間の個体同士になると出来なくなることはなんとも哀しいことである。

しかし、人間を制御するルールは、多少欠陥が在っても人間が作れるはずだし、欠陥はみつかる度に、できるだけはやく直してゆけばよいのだ、と、私は思う。

さて、前半に述べた問題たち(*1、*2、*3)は、実は、簡単な調整で、正しい方向に修正できる可能性がある。
例えば、
(*1、*2に対しては、)企業に対する税金は、現在の収入だけではなく、企業の活動によって犠牲になった将来の利益である直接的機会費用にも(炭素税のように)課し、化石燃料や農業関連支援に対する助成金は、クリーンで持続可能なエネルギーや食品を製造出来る競合企業に向けるという調整がある。

また、(*2と*3に対して)
廃棄物の削減、インフラの強化、最も持続性のある社会的利益の創出のために有用なレベルの効率を生み出す技術に対して減税を行うという調整も有用であろう。
さらに、(*3に対して)
常に交換が必要な使い捨てのゴミではなく、長持ちする質の高い製品を作る技術に報償を与えることで、買い換えを促すだけのモデルチェンジを終わらせる調整など私たちの意識さえ変わってゆけば近い将来に達成するかもしれない。

私たちの経済はどうやったって、健全さを保つためには、短期の消費者購買に依存するのではなく、長期の産業投資に頼る必要があることは、明白である。

短期的、否、短絡的な方法は、解決したように「見える」だけのことの方が多い。

歴史上、成功を収めた複雑な社会はすべて、
最終的にその社会が必要とする、またはその社会が維持できそうな量以上のものを消費したあげく、資源を使い果たして崩壊してきた。
文明が消滅する直前に、生産量がピークに達することは、考古学で常に明らかにされている。

ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。
財務副大臣がやっと辞めましたが、「税の週間」に当たってしまったことは悲しいなあ、と思いながら描いていたら、話と怒りの範囲が拡張し過ぎたような......読んでくださりありがとうございます。
今日も、頑張り過ぎず、頑張りたいですね。
では、また、次回。


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