春に悪性リンパ腫が発見され、昨日まで
なんとか頑張っていたが、真夜中、ついに命を閉じた。
こんなに丸々太って、甘ったれで
無邪気な猫だった。
病んでからも、一週間ほど前までは
私がベッドに入るとやってきて、一緒に寝ていた。
だけどだんだん痩せて、すっかり狐顔になっていた。
ここ数日は、「もう頑張らなくていいよ。楽になっていいんだよ」
と、言い聞かせていた。あんなに出ていた目やにや鼻水も止まり、
静かに横たわっているだけになっていた。
眼はずっと開きっぱなしだった。
昨夜は私のベッドの下に寝かせた。
上に寝かせると、動いて転げ落ちる心配があったから。
１時頃、私は眠った。
そして３時に眼が覚めた。
昼も夜もフータの様子を見てばかりいたので、この時も
電気をつけて覗き込んだ。
ああ、死んだのだ、とわかった。
話に聞いていたような激しい痙攣もなく、吐いたりもせず、
じつに穏やかに亡くなっていた。
おりしも、昨夜はスーパームーン。
大きな月が、フータを迎えに来てくれたのかもしれない。
これからは、うさぎじゃなくて猫が月にいるのだと思おう。
