犬も猫も飼えなくなって久しい。
住まいの内に生き物の気配が自分しかない。
その淋しさを、年々強く感じるようになった。
時折、イエグモを見かけると嬉しくなり
「いてくれたんだ! 冬場は蠅も蚊も
いなくてたいへんだねえ。大丈夫?」などと
勢い込んで話しかけるのだが、当然、無視される。
毎年、卵から成虫になるまでを見守る蝶も、
冬場はいない。
室内で熱帯魚だの鳥だのを飼うのはいやだ。
なるべく自然な状態の生物を観察するのが好きなのだ。
頼みの綱はベランダ。
メダカを飼っている。
前のマンションにいたときは、卵や稚魚を隔離して
三匹から何十匹にも増やした。
でも引越しをする時、持って行く方法がなくて
(半ば強引に)友人のところへ養子に出した。
ところが引っ越して時がたつとまたメダカが恋しくなり
植木市で三匹買ってきた。
増やさないよう気をつけていたのだが、
それでもいまは23匹になった。
しかしどういうわけか、今度のメダカたちは
おそろしく警戒心が強い。
私がメダカ鉢に近づこうものなら、
みんなして素早く物陰に隠れる。
エサを撒いても出てこない。
私がいなくなると、そうっと出てきて警戒しながら食事を摂る。
哀しい。
なにゆえに嫌われてしまったのだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/e1/135cebf0186b53665e0a9bea9e1fc0e8.jpg)
残るは街場の野鳥だ。
前のマンションではヒヨドリが常連。
ベランダの手すりが幅の広いもので、
外側に柵もついていたからプランターを置くことができた。
そこに果物やパンくずなどを置いておくと
毎日、ひよどりがやってきた。
雪が積もった年。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/8e/26d76d5ee932a988100574aa53c5741e.jpg)
でもいまの住まいにはベランダの手すりに
こういうでっぱりがない。
仕方なく、細めの柵にウインナなど載せておくと
素早くカラスがさらっていく。
サッと来てサッと去るだけ。愛想がない。
他の鳥はカラスが怖くて寄ってこない。
なんとかならないかとベランダの中にある台に
魅惑的(であろう)餌と水を置いてみたのだが、
なぜかこのあたりでは
メダカも野鳥も用心深くなるのか(いや、それは言いがかりだが)
頑として入ってこない。
しかし諦めなくて良かった。
数日前から、ヒヨドリとスズメがベランダ内に
やってくるようになったのだ。
スズメ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/7d/18c93fef5039a895c5c64b780506a5b1.jpg)
ヒヨドリ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/36/e8b2955c8bcbcfeed1726d91174e4f09.jpg)
嬉しいが、難点はベランダが糞だらけになること。
彼等が食事を終えて立ち去った後、私はせっせと糞掃除。
それでも、孤独を癒やしてくれるのだから
文句は言えない。
気配がありすぎても対処に困るから
もっと田舎に越して戸建てに住む、という選択肢は
いまのところない。
春になったら、また蝶が来てくれるかもしれないし、と
パセリもプランターに植えた(キアゲハの食草)。
ささやかな望み、ささやかな暮らし。
こういう情勢下では、その「ささやか」が続けば
とりあえず幸運だろう。
葉っぱだけの状態で買ってきたネモフィラは
どんどん花をつけてくれた。
だけどそのそばに植えたチューリップは
買った時のまま、ずっと、とんがり帽子状態。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/34/7e63eabf927b5f2bd9bf642356b632d2.jpg)
住まいの内に生き物の気配が自分しかない。
その淋しさを、年々強く感じるようになった。
時折、イエグモを見かけると嬉しくなり
「いてくれたんだ! 冬場は蠅も蚊も
いなくてたいへんだねえ。大丈夫?」などと
勢い込んで話しかけるのだが、当然、無視される。
毎年、卵から成虫になるまでを見守る蝶も、
冬場はいない。
室内で熱帯魚だの鳥だのを飼うのはいやだ。
なるべく自然な状態の生物を観察するのが好きなのだ。
頼みの綱はベランダ。
メダカを飼っている。
前のマンションにいたときは、卵や稚魚を隔離して
三匹から何十匹にも増やした。
でも引越しをする時、持って行く方法がなくて
(半ば強引に)友人のところへ養子に出した。
ところが引っ越して時がたつとまたメダカが恋しくなり
植木市で三匹買ってきた。
増やさないよう気をつけていたのだが、
それでもいまは23匹になった。
しかしどういうわけか、今度のメダカたちは
おそろしく警戒心が強い。
私がメダカ鉢に近づこうものなら、
みんなして素早く物陰に隠れる。
エサを撒いても出てこない。
私がいなくなると、そうっと出てきて警戒しながら食事を摂る。
哀しい。
なにゆえに嫌われてしまったのだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/e1/135cebf0186b53665e0a9bea9e1fc0e8.jpg)
残るは街場の野鳥だ。
前のマンションではヒヨドリが常連。
ベランダの手すりが幅の広いもので、
外側に柵もついていたからプランターを置くことができた。
そこに果物やパンくずなどを置いておくと
毎日、ひよどりがやってきた。
雪が積もった年。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/8e/26d76d5ee932a988100574aa53c5741e.jpg)
でもいまの住まいにはベランダの手すりに
こういうでっぱりがない。
仕方なく、細めの柵にウインナなど載せておくと
素早くカラスがさらっていく。
サッと来てサッと去るだけ。愛想がない。
他の鳥はカラスが怖くて寄ってこない。
なんとかならないかとベランダの中にある台に
魅惑的(であろう)餌と水を置いてみたのだが、
なぜかこのあたりでは
メダカも野鳥も用心深くなるのか(いや、それは言いがかりだが)
頑として入ってこない。
しかし諦めなくて良かった。
数日前から、ヒヨドリとスズメがベランダ内に
やってくるようになったのだ。
スズメ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/7d/18c93fef5039a895c5c64b780506a5b1.jpg)
ヒヨドリ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/36/e8b2955c8bcbcfeed1726d91174e4f09.jpg)
嬉しいが、難点はベランダが糞だらけになること。
彼等が食事を終えて立ち去った後、私はせっせと糞掃除。
それでも、孤独を癒やしてくれるのだから
文句は言えない。
気配がありすぎても対処に困るから
もっと田舎に越して戸建てに住む、という選択肢は
いまのところない。
春になったら、また蝶が来てくれるかもしれないし、と
パセリもプランターに植えた(キアゲハの食草)。
ささやかな望み、ささやかな暮らし。
こういう情勢下では、その「ささやか」が続けば
とりあえず幸運だろう。
葉っぱだけの状態で買ってきたネモフィラは
どんどん花をつけてくれた。
だけどそのそばに植えたチューリップは
買った時のまま、ずっと、とんがり帽子状態。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/34/7e63eabf927b5f2bd9bf642356b632d2.jpg)