大きいのは観る機会もあったが、小さいのはずうっと縁がなかった。
場所も機会もない。
ベランダでこっそり線香花火をやってみようかと思ったこともあるが、
消防車が飛んできたりすると事なのであきらめた。
密集地に立つマンションでは難しい。
でも思いがけず実現した。手花火。長野県の茅野に住む友達の家の庭で。
一泊二日の短い旅。
画家の友人と仕事の企画があったので、一日目の昼間は
編集者さんもまじえてその打ち合わせ。
もうひとり、浜と長野を往復しながら暮らしているライターの友人も参加。
夕方、編集者さんは東京へ帰り、私達三人は夕飯の買い出し。
新潟の寺泊で獲れた新鮮なエビとホタテ、地元の野菜で豪華、鉄板焼きの夕べ。
(焼いたり食べたりで忙しく、写真撮り忘れた)
デザートは友達の手作りケーキ。
キャンドルをたてて、二人で「ハッピーバースデイ」まで歌ってくれた。
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なんだか恐縮するほど、今月は誕生日を祝っていただいてる。
考えてみれば、来年は前期高齢者の仲間入りだ。
「中年」といえる最後の年なのかも。
食後のサプライズに、二人が用意してくれたのが花火。
花火に恋い焦がれる私の気持ち、どうしてわかったんだろう。
庭へ出て、わくわくしながら次々と点火。
線香花火は最後に、ポトッと音立ててオレンジ色の玉が落ちる。
その瞬間の切ない胸騒ぎ。幾つになってもこの感覚は変わらない。
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翌日は、もう一人、友人が合流して諏訪大社へ。
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雨降りだったのに、前日から、私達が外へ出たとたん天気が良くなる。
私は晴れ女。気をよくしてお神籤をひいたら「中吉」だった。
「おお!」と喜んだのもつかのま、書いてあることを見ればどれもこれも「叶わぬ」ばかり。
「出産」だけが「安産。心配なし」。そんなもん、ああた……。
「いろんなことに気をつけていればすべて吉、という意味なのよ」
と、友人が慰めてくれた。
諏訪湖のほとりにある「くらすわ」というレストランでランチ。
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旅の終わりはこのレストランの三階から眺めた諏訪湖。
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短い夏休みだったが、友達のやさしい心遣いに包まれ、幸せな二日間だった。
一夜明けた今日は、再び蒸し暑い横浜の日常。楽しんだ罰のように仕事が進まない……。