参加させていただいた。
中川さんはこちらで写真と文章を連載中。
ディープと美があいまった歴史と風景をお楽しみください。
「新MiUra風土記」
https://note.com/honno_hitotoki/m/m44dc5a7fc5c8
案内、解説ももちろん中川さん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/82/af9525bd8dbd025b6602634090274711.jpg)
小田原城も見えるが、本日は昭和ディープの方向へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/75/b9b69fa70ec556525b92f410b1f38b3c.jpg)
それにしても駅周辺の賑わいにまず驚いた。
練り物店はもちろんのこと、海鮮やブティック
お菓子屋など、つい足が止まりそうになる店が並び、
人が群れている。その中にこういうところも。
北条氏政、氏照の墓所。豊臣秀吉によって滅ぼされた
後北条最後の主。墓所の石などは江戸時代に造られた
もののようだ。
この墓所へ上がる短い石段の上には「しあわせの鈴」
と呼ばれる願掛けの鈴が無数に奉納されていた。
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でも私たち一行は繁華街を離れ、静かな方向へ。
民家の玄関先にいらした二宮金次郎さん。
昔はどこの小学校にも、薪を背負ったこの像があった。
いまもあるのかな?
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曲がり角で突然出くわしたキラキラの首。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/73/1d6008d1335ec81070d4ff0af7e1facb.jpg)
興味深い建物、店などいろいろあったのだが
本日のテーマはこちら。
この石碑が顕彰する川崎長太郎さん。
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戦中、戦後、おもに私小説と呼ばれる分野で知られた作家。
この斜めになった場所に、トタン屋根の物置小屋があり
中には二畳の畳が敷かれ、机代わりのビール箱が置かれていた。
電気も水道もトイレもないこの小屋に住み、彼は小説を書いていた。
そこへいろんな女が出入りする。
若かったり年増だったり正体不明だったりするのだが、
膝突き合わせて一緒に弁当を食べたり酒を呑んだり同衾したり。
だらだらとしたその日常を作家はそのまま私小説として綴り、発表する。
女から「モデル代」を要求されたことも。
正直言ってロマンもサスペンスも希望もないのだが、
昭和の貧しい時代、男も女も気取ってはいられない。
そのたくましさに惹かれ、似たような内容なのに
ついつい先を読まずにはいられない。
いまは堤防が築かれているが、物置小屋があった頃は
目の前が石ころ海岸。波音がうるさかったのではないか。
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さて、長太郎さんが足しげく通い、作品テーマにしたのが
私娼窟だったという抹香町。いよいよそこへ。
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電柱には「新開地」の呼名が残る。
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雰囲気はかなり残っているが、住人のいらっしゃる家も
あるので、遠慮がちに……。
でも昭和の香りが、私の年代にはなんとも懐かしい。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/f7/b83380c955c69d466fb2ac34d53d277c.jpg)
旅館「石川屋」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/67/cca4de225926bba0cfce31700475ca3d.jpg)
ちょっと離れてみると、和の旅館に洋の建物が
くっつけられている。中で続いていたのかな。
本日のウォーキングメンバーは男女ともに
「裏」だの「闇」を愛する人たち。
なんと女性の一人は、この旅館の間取りが出ている画像を
ネットの中で探し出していた。
彼女はこの近隣の不動産サイトで、ここが「借家」
としてアップされているのを見つけたのだ。
中はいくつもの小部屋で仕切られ、まさに「チョンの間」風。
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長太郎さんはその私小説で一時は流行作家になり
芥川賞候補になったこともある。
かなりの年齢になってから30歳も年下の女性と結婚。
菊池寛賞や芸術推奨文部大臣賞を受賞してもいる。
物置小屋の暮らしと華々しい受賞の差がまた興味深い。
「だるま食堂」は彼が毎日のように通っていたという店。
食べるのは決まって「ちらし寿司」。
某料亭にも出入りして、そこに出ていた芸者さんを
昭和を代表する映画監督と張り合った……という話も。
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ギリシャ正教の教会。
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余韻が残るまま、小田原駅前の居酒屋で打ち上げ。
これも楽しみの一つ。
中川さん、皆さん、ありがとうございました!
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