まとめて持って行った。
カウンターの一輪挿しに白いきれいな花が挿してある。
「なんという花ですか?」
「わかんないんだよね。うちの女房が見つけたの」
その奥さんが、店の奥から出てきた。
「外の花壇に生えてたの。どんどん勝手に増えるのよ」
一茎手折り、分けてくれた。
奥さんはプランターにいろんなものを植えている。
紫陽花、チューリップ、スズラン、ミョウガ、椿などなど。
殺風景なマンションの玄関が、おかげで季節ごとに少し華やぐ。
そのまま立ち話をした。ご主人のクリーニング屋は先代から
ここにあり、その頃からあわせると百年くらいたつという。
「あたしの生まれは、ほら、そこの真金町。あそこには遊郭があってね、
うちのそばがその大門だったの」
子供の頃は、大門の中に入り込んで遊んだという。
「大門のところには小さな小屋みたいなのがあってね、お巡り
さんが詰めてたの」
真金町遊郭は公娼。遊女達が逃げないよう、国が見張っていたのだ。
クリーニング屋の奥さんは古い地の人だけあって、
ご近所情報にも詳しい。
「ここの通り沿いって、このところ盛んに更地にしてますよね?」
「そうなの。ここは建設屋だったけど不景気で潰れてねえ、
取り壊して売りに出してるの。売れるまで駐車場にするみたいよ。
向こう? ああ、あの土地はマンション。そんなに高層じゃないみたいね。
そんであっちのあの土地もマンションよ。広いから、あそこは
けっこう高いのが建つわね」
立ち話のネタは尽きないし楽しかったが、店にお客さんがみえたので切り上げた。
いただいた花をさっそくネットで検索。「オオアマナ」かな?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/6b/4b5cc8b5d41228342335fd8bd921a2bb.jpg)
「花」ときたら「蝶」である。
ギャルリーパリで開催中の「ティンガティンガ原画展」で
この絵を買った。アフリカの蝶たち。
けっこうボリュームのある絵で、私にも買えるお値段だったのが嬉しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/34/b159f867a49d15bb1e8590540cabf8ac.jpg)