山手の岩崎ミュージアムで「安藤和夫・安藤ニキ 父子展」
が開催されている。
安藤和夫さんは創作家具作家、安藤ニキさんは新進画家で、
和夫さんのお嬢さんである。
友人数人と一緒に行ったのだが、そのなかにカンボジア人の
ペン・セタリンがいた。
セタリンは東京都町田市に「アンコールトム」というカンボジア
料理の店を経営している。
町田・アンコールトム
http://www.angkor-thom.info/
彼女はレストラン・オーナーのほか、プノンペン大学の教授、
作家、カンボジア女性の自立と子供達の教育支援プロジェクト
「CAPSEA」の主催者と、たくさんの顔を持っている。
日本文学や絵本をカンボジアに紹介し、両国の架け橋も
担っているという重要な存在だ。
「私は〝水玉のシマウマ〟」(講談社)ほか、日本語の著書も多い。
じつは、彼女と安藤ニキさんをぜひ会わせたかった。
私は一昨年の11月にカンボジアを訪れたのだが、
その時、セタリンが読み書きを教えている子供達と触れあい、
初めてアンコールワットも見学し、たいへん印象的な体験をさせてもらった。
ポル・ポト時代に惨い拷問が行われ、おびただしい人々が
惨殺された元刑務所も訪れた。
細かく仕切られた牢獄、拷問部屋、子供も含む犠牲者達の
写真を、身も凍る思いで見ていたとき、ふと思い浮かべたのが
ニキさんの絵だった。
闇の色をまとい、人間の哀しみを抱き留めて、自身も絶望の
縁でうずくまっている天使……。
帰国してからそのことをニキさんに話すと、彼女の個展に
黄金色の天使が登場した。
「大丈夫、天使はまた蘇り、人の哀しみも喜びもすべて受け止めるから」
というメッセージのような気がして、私はその絵を購入
させていただいた。
しばし自分のうちに置いて眺めた後、セタリンに、というより
セタリンが子供達のために開放している私設の教室に寄贈した。
カンボジアはあの惨い内乱の後遺症にまだまだ苦しんでいる。
黄金の天使が、この国を担っていく子供達の心に、希望の光を
もたらしてくれますようにと祈って。
カンボジアへ渡った天使の絵
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/ea/4e9ef74a017df6b07c4087c345333455.jpg)
さいわい、ニキさんもセタリンも喜んでくれた。
そして今回の対面となったのだ。
ニキさんの絵を挟んで、向かって左がニキさん、右がセタリン。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/e8/ecbb36264ba5979c5ba01fe9162d2319.jpg)
「父子展」を開催中の岩崎ミュージアム
http://www.iwasaki.ac.jp/museum/index.html
安藤ニキさんのブログ
http://niki200705.blog.fc2.com/
一昨年のカンボジア旅行とセタリンのこと。
http://blog.goo.ne.jp/yokohamaneko/d/20111209
この年末年始には、セタリンが案内してくれるカンボジアツアーが
開催されるという。
子供達との触れあい、上智大学が発掘した遺跡を、発掘隊の解説付きで
見学することができる(一昨年、私も見たが、素晴らしい!)。
もちろんアンコールワット見学も、というスペシャルなツアー。
普通の観光旅行では絶対にわからない、カンボジアの
「現在」を知ることができる。詳細はこちら。
http://www.tabisen-tsunagu.com/?p=2269
さて岩崎ミュージアムのあとは元町の汐汲坂へ移動し、
吉田町から移転したばかりの「濱新」へ。
あの老舗料亭がおしゃれに、カジュアルに衣替え。
吹き抜けになった二階もモダンだ。
セタリンと一緒に濱新で。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/b6/0bcca94ae30d631b6cd848e52a43ac20.jpg)
とびきりの鰻重をいただいて、さあこれで猛暑を乗り切らないと!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/e1/bfb8811cc1c58dea288dc47f990da94b.jpg)
元町・濱新
http://hamashin.org/