インフルエンザかもしれないという懸念があったのだが、
検査の結果、そうではなかった。
「でも、だるいし、鼻も喉も不調だし、なにより、おなかが
痛いんです。断続的に収縮してるみたいで、ギューッと。
これが治る薬を出して下さい」
「ないね、薬は」
先生は私のおなかに聴診器を当てて言う。
「これを治すには、絶食するしかない」
「いやです。わたし、食べるしか楽しみがないんですから。
今夜だってきっと、おなか痛くても食べます」
「食べちゃだめ」
「食べます」
「わかった。この診察室にいる限り、食べちゃ駄目と言うしかない」
つまり診察室を出てしまえば、医者の言うことをきこうがきくまいが、
それは自己責任だ。
先生の患者は多くがドヤ街の人達。
この「自己責任」でみずから症状を悪化させてる人が多い。
「ふん、お酒だって飲んでやるから。風邪にはなんたって
野菜いっぱい入れた鍋もどきの湯豆腐よ!」
私も内心でそんなことをうそぶきながらクリニックを退した。
が、「サウンドクルーズ」出演を終え、外へ出たら足が地に着かない。
だるくてふらふら。
タクシーを拾って帰宅。
湯豆腐に熱燗どころではない。腸の差し込みはますますひどくなり
さすがの私も食欲ゼロ。
せめてお風呂に入って寝ようと思ったが、お湯を張っただけで
入る体力がなかった。顔を洗って歯を磨き、ベッドへ。
ぐったり横になっていると電話が鳴った。友人のAさんだった。
前々日、一緒だったが、私はその時から体調が悪かったので先に帰った。
それを心配して電話をくれたのかと喜んだのだが、全然、違う用件だった。
話が終わったので、「じつはさらに体調が悪化して……」と切り出すと、
どういうふうに悪化したのか聞こうともせず、「あ、そうなの、ごめん。じゃあね」と、
Aさんは電話を切ろうとする。
一人で心細い私は、あわてて引き留めた。
こういう時は、誰かと繋がっていたいものなのだ。
体がだるくてたまらないくせに、「お願いだから切らないで」
という感じで、長々とお喋りを続けてしまった。
今日になって、ありがたいことに別の友人が、病気を気遣って
ファックスをくれた。
嬉しくて、こちらから彼女に電話。
話してるうちに、私はおなかに悪いことばかりしていたことを知った。
食べられないにしても栄養をつけなきゃと思い、今朝、コンビニへ行って
コーンポタージュを買い、それを飲んだのだ。
そういえばおとといはココアを飲んだ。
「ミルクは駄目。白湯に梅干しよ。それと黒ごま」
感謝して電話を終え、近くの商店街へ。
買い物に便利なところで良かったと、こういう時は思う。
ドラッグストアで濡れマスクやおなかに貼るホカロン、それに
白湯と言われたけど「せんぶり」が目に付いたのでそれも買う。
帰宅して、さっそく「せんぶり」を煮出し、そこへクリーム状の
缶詰黒ごまを大さじ一杯、さらにほぐした梅干しを入れてかき混ぜる。
なんだかえらく濃厚な飲み物になった。意外にもおいしい。
今日はこれを朝晩と飲み、夜は、いけないかなと思いつつ、
おかゆを食べてしまった。
結果は……やはり絶食すべきだったと思う。
あとで苦しむことがわかってるのに、なぜ私は食べることを我慢できないのか。
情けない……。
コメント一覧
冬桃
酔華
最新の画像もっと見る
最近の「雑記」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事