拙著「天使はブルースを歌う」について、トークを
してほしいというご依頼。
ゴールデンカップスとその時代をテーマに
ラジオ番組を、課題として制作するそうだ。
で、教授や、平成生まれの若い生徒さん達を前に
90分ほど話をさせていただいた。
このところYOUテレビやJ:COMが相次いで
60年代本牧をテーマにしたドキュメンタリーを
制作している。
もちろん、ゴールデンカップスは外せない要素だ。
でもなぜ、いま、いろんな人達がそこに
興味を持つのだろう。
私にはわからないが、60年代というのは
横浜が強烈な個性を持っていた、最後の時代
なのかもしれない。
背景にはベトナム戦争、米軍基地という
「負」の歴史があった。
ファッション、音楽、ダンスなどで若者文化
をリードした当時の横浜だが、その裏には、
敗戦、接収という暗い影が漂っている。
語られていないこと、意図的に隠された歴史が
幾つもある。
拙著はゴールデンカップス、白塗りのメリーさん、
根岸外国人墓地の三つを軸にして、そうした
秘史のひとつを掘り起こしたノンフィクションだ。
これを読んで若い人達が、横浜の別の側面にも
興味を持ってくれたら、著者としてはとても嬉しい。
私自身も久しぶりに読み返し、しばし
感慨にふけった。
この本の取材を始める頃まで、横浜には
ほとんど知り合いがいなかった。
本が出てからはや14年、いまでは横浜の
歴史の専門家を何人も存じ上げている。
ゆえに、なにを書くにも、このころほど
大胆にはなれなくなった。
それはちょっと、問題かも……。
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