冬桃ブログ

お伊勢参り

 伊勢神宮へ行ってみたいなあと常々思っていたのだが、
ついに機会が巡ってきた。
 友人のまちづくりプロデューサー、福井功さんが伊勢方面に行くと
いうのを聞きつけ、これさいわいと同行させていただいたのだ。
 なんたって日本神話、神社仏閣に詳しい人なので、解説もして貰える。
 おまけに、上海、出雲、京都、兵庫、さらには私の故郷である丹後など、
あちこち一緒に旅をしたから、私の凄まじい方向音痴、体力の無さもよくご存知だ。
 毎度のことで申し訳ないのだが、なにかと甘えさせていただいてる。
 それにしても金環日食の日に天照大神を祀る伊勢神宮へ行くというのも
なかなかおもしろい偶然だった。
(天照大神の岩戸隠れは、日食を意味しているとか)
 
 新幹線で名古屋へ出て近鉄に乗り換え、伊勢市駅へ二時過ぎ頃に到着。


 ホテルに荷物を預け、まずはJRの一両電車で二見浦へ。
 ここは伊勢神宮参拝の前に禊ぎをする場所。
 夫婦岩のかなたには水平線が広がり、心が清められるような風景である。
 さっそく写真を……とデジカメを取り出すも、「容量がない」って、嘘!。
 あいやだ、メモリーカードを入れ忘れてる!

 そういえば前にどこだかへ行った時はバッテリーを入れ忘れ、
一枚も撮ることができなかった。
 あの時も福井さんが一緒だったっけ。
 「大丈夫、コンビニを探せばカードを売ってるでしょう」
 またか、と福井さんは苦笑い。(すみません、面倒かけます)

 というわけで二見浦の写真は無し。
 駅へ戻る途中のコンビニでカードを無事、購入。

 二見浦駅(夫婦岩をデザインした駅舎)


 この夜は福井さんの友人、松浦信男氏と三人で食事。
 松浦さんは三重県の多気郡多気町にある万協製薬の社長。
 私は初対面だし、お二人の話に加わることができるかしらんと
心配だったが、それは杞憂に終わった。
 松浦さんはじつにユニークで気さく。ポジティブで才気溢れる方だった。

 万協製薬は神戸で創業した。それが阪神淡路大震災で工場が全壊。
 会社も閉鎖に追い込まれた。
 松浦さんは他の製薬会社に勤めることに。
 一社員になるつもりが、先方は彼の実力を見抜き、
いきなり社長に抜擢。
 が、父親や妻の懇願もあり、1年ほど後、現在の地に
「地震に強い工場」を建てて万協製薬を再建した。
 年商が以前の10倍になったという。
 村上龍さんが司会を務める「カンブリア宮殿」にも出演して、
この素晴らしい復活体験を話されたとか。

 有能な実業家というだけではない。松浦さんの顔はじつに多彩だ。
 おもちゃコレクター、シンガーソングライター、そして
マニアックなハードボイルドファン(ことに、レイモンド・チャンドラー)。
 50歳という若さなのに、古い映画や小説に至るまで、
知識が半端じゃない。ハードボイルドに較べるといまいち好きじゃない、と
言いながら、アガサ・クリスティーなんかもちゃんと読み込んでおられる。
 じつはサスペンス小説を書く予定もあり、抜群におもしろいプロットを
披露してくださった。
 7月にはまずビジネス書が出版されるらしいが、小説も楽しみだ。

 万協製薬のサイト 
http://www.bankyo.com/

 福井さん、松浦さんと一緒に。(写真は福井さんのブログから借用)


 さて翌日の午前中は、タクシーで倭姫宮、月讀宮、猿田彦神社、月夜見神社と回る。
 タクシーの運転手さんもよく勉強している方で、いろいろ解説してくださった。

 月讀尊は天照大神の弟神。太陽神である姉は昼を、弟は夜を司る。
 宮内には四つの社殿があり、月讀尊、月讀尊の荒御霊、さらには
両親であるイザナギ、イザナミ、を祀っている。


 猿田彦神社。巨体で大きな眼、高い鼻を持つことから
天狗に擬せられる猿田彦は、この地方の国津神だった。


 宮内には猿田彦の妻となったアメノウズメを祀る佐瑠女神社も。
 彼女は、天照大神が岩戸隠れをした時、外でセクシーなダンスを
披露してやんやの喝采を浴びた。芸能の始祖とされる女神。
 奔放で賢く、神話にあまた登場する女神の中でも抜群に魅力的だ。
(しかし、この社殿はちょっと、とってつけたような……)


 午後は要所を周遊する観光バス。私の足腰が弱いことを考慮して
福井さんが予約してくださった。
 でもバスは当然ながら神宮の入り口まで。
 内宮も外宮も徒歩だ。
 何ヶ所かで、立て板に水の解説をするベテランガイドさん。


 橋を渡り……。


 五十鈴川で手を洗う。


 いやいや、広い! 
 私は早々にばててしまい、お参りよりどこかに座れないものかと
うつろに眼をさまよわせる。
 どうせ入れないところが多いし、遷宮のため工事中(?)だし……。

 白いテントで覆われたところに、新しい社殿が造られる。


 というわけで肝心のところを朦朧としたままやり過ごし、
神宮を出て、おはらい横町の店で昼食。
 手こね寿司と伊勢うどんのついたお膳。なかなかおいしい。
 なにより座れたのが嬉しかった。


 昼食のあとは、足腰をさすりながら店を見て回った。
 迷ってばかりであまり手が出ない私に較べ、福井さんの買うこと買うこと。
 そういえば、私も福井さんからいろんな物をお土産にいただいたなあ。
(私が人にあまりお土産をあげないのは、ケチだからじゃなくて、
迷って疲れて、結局いつも時間切れになるため。いや、ほんとに)


 というわけで、あわただしくバスの周遊も終わり、夕方、近鉄で帰路に。
 まだ旅の続きがある福井さんは白子駅で降り、私は名古屋から
新幹線で新横浜へ。
 一杯やって、よく寝て、疲れをとってから、じっくりと
神様のことを思いだそう。

 お伊勢さんの神盃。



 

 

 



  
 

 

 

 
 
 

コメント一覧

冬桃
まあ、あの神聖な海で!
http://members2.jcom.home.ne.jp/noa411/
酔華さん

 二見浦で海水浴! サザエも採りたてを!
 そんなことができたのですか。
 浜で拾い物をするのがこよなく好きな私は
せめて砂浜を歩いてみたかったです。
 でもそれらしきあたりを興玉神社のそばから
見ると、砂浜というより堤になってたような……。
 
 初対面でしたが、松浦さんはたいへんな
アイデアマン。そして勉強家です。
 ひとつのことに対して集中力が凄いのだと思います。
 これからどんなことをなさるのか、私も楽しみです。
冬桃
うそ!
http://members2.jcom.home.ne.jp/noa411/
&0さん

 うわあ、ほんとにニアミスだったんですねえ。
 あちらでご一緒したかったです。
 もちろん、私のようにへろへろではなく、
ちゃんとお参りなさったのでしょうね。
 私も、あと二回くらいは訪れたいです。
酔華
懐かしい
http://blog.goo.ne.jp/chuka-champ
子どもの頃は毎年行っていました。
夏休みには二見浦で海水浴したり、
磯で潜ってサザエを採って来て生で食べたり、
懐かしいです…

松浦信男氏のことは知らなかったのですが、
ネットでいろいろ見てみると、
すごい方なんですねぇ。
万協製薬、覚えておきます。
&O
同じ日に!
伊勢に行っておりました、僕。

23日夕方に入り、二泊しておりました。

ニアミスですた!
冬桃
雨だったけど……
http://members2.jcom.home.ne.jp/noa411/
ひーちゃん

 そうか、行ったことがあるのね。
 雨がぱらついてて不安定な天気でしたが、
五十鈴川はきれいでしたよ。
 福井さんには、解説をしてもらったり、
興味深い人に会わせていただいたりと、
毎度、お世話になりっぱなしです。
 体力のない者を補佐するのはたいへんだろうなあ
と申し訳なく思いつつ、「またどっか一緒に
行きましょうね!」と明るく言ってのける
私でした。
ひー
お帰りなさーい
2年前に私も行きました。でも雨で五十鈴川はにごってて・・・。
あれから「又行きたい」と思いながらなかなか行けないままです。

丁度昨日も「伊勢神宮に行きたい」と話してたところでした。

しかも福井さんが一緒なら楽しかっただろうし、いろいろ教えてもらえただろうし「超伊勢神宮納得の旅」でしたね♪

気温の差が激しい日が続いてます。
気をつけてね~
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