カメラマンの佐藤秀明さん、大学の先生にしてメディア・プロデューサーの
和田昌樹さんにお誘いをいただいて、野草摘み。
場所は根岸森林公園。
「若い女性達も誘ったんだけどね、放射能が怖いからって
断られちゃって」と和田さん。
この公園は元競馬場だったところ。野草もたくさんある。
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ここには個人的な思い出もある。
23歳から3年間、森林公園のそばのマンションに住んでいた。
当時はまだ森林公園ではなく、ただの広大な「競馬場跡」。
マンションもひとつしかなかった。
近くにある店といえば、後にユーミンの歌で有名になる「ドルフィン」だけだった。
いまは公園沿いの道にマンションが幾つも並んでいる。
山元町寄りのところにはおしゃれな喫茶店やスーパー。
あの頃に戻って人生をやりなおすことができたら……と、忸怩たる思いや
感傷にこっそりひたりながらも、お二人について野草摘みに出発。
「ちょっと種類が少なくなったかなあ」(和田)
「だから春の初めがいいって言ったのに!」(佐藤@すっかり野草のプロ)
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どれもこれも食べるわけじゃないけど、野育ちの私は
あれこれ見つけるだけで楽しい。
ハマウツボ
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ウラシマソウ
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ヘビイチゴ
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藪に分け入る佐藤カメラマン@怪しいおじさん。
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根岸競馬場観覧席。紳士淑女は着飾って、この美しい観覧席で
疾走する馬を眺めていた。
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中へ入ってみたい。
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ミントの群生。このまま熱いお茶に入れたらミントティーに。
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一時間余り歩き回って、公園のすぐそばにある和田さんのお宅へ。
摘んできた野草を仕分けして、それぞれをきれいに洗う。
クローバー、蕗、ノビル、ハハコグサ、トキワハゼ、ツユクサ、
アケビの蔓の先っぽ、ギシギシ、タンポポ、ミント、その他数種。
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蕗とノビル
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料理は佐藤カメラマン。(以下はその一部)
クローバーの掻き揚げ。野草の天麩羅は、衣をごく少量にして、
低めの温度で長めに揚げるのがコツだとか。
あっさりしてて美味。
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蕗の炒め物(御飯が欲しくなる!)
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タンポポの葉とトキワハゼと生ハムのサラダ
(簡単料理だけどおしゃれ。だってタンポポだもん!)
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和田家の娘さん達がつくってくださったモロッコ料理。
クスクスの上に大ぶりに切った蒸し野菜。
こっくりした味で、とてもおいしい。
お代わりしたかったが「クスクスは後からおなかの中で膨れる」
と聞いて断念した。
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モロッコ産も含めて三種類のワインをいただいたが、和田さんいわく、
「これが一番高いんだよ!」
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この日は和田さんの義母、長女(モロッコ在住。たまたま帰国中)、
次女夫婦、長男夫婦、孫4人も集まり、じつに賑やか。
私がこの界隈のマンションに住んでいた二十代の頃、
しょっちゅう遊びに来ていた昆虫カメラマンの卵(いまは大御所)
が和田さんの学生時代からの友人だったり、息子さんが
ブルース・ロックのミュージシャンで共通の知り合いが何人もいたりで、
和田家を初めて訪問する私もすっかりリラックスさせていただいた。
佐藤さんはもうこのご一家と何十年にも及ぶ家族ぐるみの付き合い。
夜がふけるまで、食べ、飲み、喋り続けた楽しい一日だった。
子供の頃は野のものをよく食べた。
茱萸(ぐみ)の実、桑の実、カタバミの花、イタドリ、茅花……。
放射能の心配などなく、走り回って野に遊び、自然が与えて
くれる四季折々の「おやつ」を食べて育った。
いまさらながら、それはとても幸せなことだったと感謝せずにはいられない。