冬桃ブログ

またか!

 それが始まったのは4日前だった。
 朝起きた時はとくに感じなかったのだが
昼になる頃、左肩から腕にかけて、
しんしんと痛くなってきた。

 生来のひどい肩凝りなので、
珍しいことではない。
 ことに左肩がひどくて、一番忙しかった
40代の頃なんか、地面から腕を強く引っ張られて
いるような痛みに悩まされ続けたものだ。
 偏頭痛もこちら側に出る。

 で、湿布薬など貼っていたのだが、
痛みはどんどん強くなる。
 肩を挟んで、上は首筋から脳天に至るまで。
 下は肘のあたりまで。

 マッサージ師さんに来て貰った。
 「たぶん、寝違えだと思うんです」
 と説明して、そこを中心に揉んで貰った。
 その時は気持ちよかったのだが、
終わったら、また痛み復活。
 ベッドに入ってもいっこうに収まらない。
 薬のストックからロキソニンを捜しだして服んだ。
 服みあわせが心配だったが、とにかく眠りたいので
いつもの睡眠誘導剤も服んだ。

 何度か目を覚ましたが、一応眠れた。
 朝、起きた時は「治った!」と思ったのだが
動き出して10分もしないうちに、また、痛み復活。

 急ぎの仕事ももあったので
パソコンに向かってはいたが、
だんだん耐え難くなってきた。
 夕方から人に会う用事も入ってるのに……
と歯を食いしばりながらキーボードを打つうちに、
「あっ!」と気づいた。

 この痛みには覚えがある。

 もう10年以上も前になるが、左の首から腕に
かけて異様な痛みが続き、何度もマッサージにかかった。
 整形外科にも行った。が、原因がわからない。
 ついにある日、苦手な鍼に行った。
 鍼は施術の時、衣服をほとんど脱いで横たわる。
 痛む場所を伝えると、そこを見るなり鍼灸師さんが言った。
「これは帯状疱疹じゃないですか。発疹がありますよ」

 初めて耳にする病名だった。

 帯状疱疹とは、子供の頃にかかった水疱瘡などの
ウイルスが、三叉神経、骨髄神経などの知覚神経節に
潜伏しており、ストレスや疲労で免疫力、体力が
低下すると現れて炎症を起こす……というもの。
 治療が遅れると長引き、入院せざるをえなくなったり
痕が残ったりする。

 「すぐ病院へ行きなさい」という鍼灸師さんの
アドバイスを受け、なぜか山手の内科医院へ。
 そこから新横浜の労災病院を紹介され、
けっこう長く通った。
 発見が遅かったので、治るまでに時間がかかったのだ。

 二度目は二年ほど前。
 やはり肩凝りがひどくなったのだと思い込み、
 気がつくのが遅くなった。
 
 そして今回。
 さすがに三回目だから、痛みから3日目で気づいた。
 原稿をなんとか書き終え、一番近い内科医院に駆けていった。
 が、徒歩二分ほどの距離にあるその医院には「休診」の札。
 そういえば最近、ここは休診ばかり。
 もうやってないかも。

 さいわい、我が家近辺は病院が多い。
 見回すと、すぐ近くのビルにも内科があった。
 迷わず駆け込む。
 ありがたいことにすいていた。
 十分ほど待って診察室へ。

 若い男の先生だった。
 セーター、シャツ、ババシャツと順に脱いでいく。
 先生はチラッと見て(そりゃあ、じっくり見たい
ものではないだろうが)、
「う~ん、発疹がないねえ。
発疹が出るまで待たないと帯状疱疹かどうかは
わからないんだよねえ」

 そんな! 
 昔のように忙しいわけではないが、年の瀬である。
 今週から来週にかけて、外出や会食の予定が
人並みに幾つか入っている。
 だけどこの状況ではとても、にこにこと
人に会い、食事やお喋りなんかできそうにない。

 「痛いんです! 発疹が出るまで何日かかるんでしょう。
耐えられそうにありません」
 と、訴えた。
 ありがたいことに、医師は頷いてくれた。

「そうだよねえ、帯状疱疹は痛いからねえ。
 それじゃあ、薬と痛み止めを出しましょう。
帯状疱疹にしか効かない薬だから、一週間
きっちり服んで、痛みが消えなかったら整形外科へ
行ってください。痛み止めは痛むときだけ服んで。
 胃が悪くなるといけないから」

 というわけで、薬局で薬を待つのももどかしく
家へ走って帰り、禁断症状のヤクチュウみたいに
あわただしく二種類の薬を服んだ。

 翌日は……。
 おお、痛みがかなり軽減している! 
 やっぱり帯状疱疹だったらしい。
 もちろん薬はまだ服み続けている。

 困ったことに、帯状疱疹の痛みで消えていた肩凝りが
両肩とも、一気に戻ってきた。
 これはこれでまた辛いのだが……。
 
 それでもこの日は、楽しみにしていた
中華街での会食にちゃんと参加することができた。
 羊の鍋、おいしかったぁ!



 帯状疱疹は一回かかると二度と発症しない、という
説もあるようだが、そうと限ったものではない。
「同じ場所には発症しない」という記事もあったが、
私は三回とも左の肩から腕にかけて。
 
 ウイルスは動きを止めるだけで、相変わらず潜伏しており
暴れ出す頻度は年齢と共に増すという。
 年々、弱っていく寄生主の体を、最後まで
しゃぶりつくそうというたちの悪いウイルスらしい。
 
 とくに忘年会、新年会などが多いわけではないが、
毎年、12月1月は体調を崩す。
 それで約束をドタキャンすることがここ数年、相次いだ。
 どうか今年はそんなことになりませんように。
 ささやかに、おだやかに、年末年始を迎えさせてほしいものだ。

 
 
 

 

コメント一覧

冬桃
あれえ!
酔華さん
 経験者でしたか! 20才とは早いですねえ。
 「20才の時に初めて」ということは、その後も
あったのでしょうか。
 酔華さんの先輩は顔ですか。
 しかも眼! 想像するだに痛そうです。
 私はいつも左の肩周辺。
 ここは最も弱いです。
 思えば、肩凝りがひどくなったと思い込み
もっと若い頃は我慢したのかも知れません。
 根治する薬を開発して欲しいですね。
 
酔華
おおっ
相当、痛かったようですね。
つぎにまた発症しないように願うばかりですね。

私は20歳の時に初めて発症しました。
何が何だか分からず、とにかく痛かったです。
先輩は顔面に出ました。
それも眼を斜めに横切る形で。
こういうのは気をつけなければいけません。
眼をやられてしまいますから。
冬桃
手術って!
和田さん

 たいへんさにおいては、私なんか和田さんの
足下にも及びませんよ。
 薬で収まっちゃう程度ですから。
 腸とは違う手術なのですね?
 どうか早く病気から解放されて、またあの
渋くてセクシーな歌声を聴かせてくださいね!
和田昌樹
痛そう!
帯状疱疹ってそんなに痛いのですか。お大事に。私は頸部血管が詰まりかかってかなり危険な状態らしく、また手術です。お互いにトホホですね。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「雑記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事