ここの四季を全部体験すると決め、夏、秋、冬も訪れた。
そして待望の春! 横浜と違って、ここはまだストーブと
就寝時の湯たんぽが必須。
とはいえ春は確実に始まっていた。
夜、コートなしで外へ出て、しばらく星を眺めていられる。
湯ぶねから出て脱衣所へ出たとたん震えあがる…ということもない。
そこここに春!
裏の畑にいっぱい出ているフキノトウ。
七分目くらいに開いたのを選び、味噌和えと天婦羅に。
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新品ピッカピカの蜘蛛の巣。
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こちらは地蜘蛛の巣。
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お世話になっている家の地主さんが、
自分で釣ったアマゴを持ってきてくださった。
炭火で塩焼き。私はアマゴ初体験。
なんとも上品な美味しさ!
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私より少し若い「りつ子」さんは
立派な和風庭園のある大きな古民家の女主人。
S村に来るたび、ここを訪れたくなる。
気さくな人柄のりつ子さんと、この家の
内外に生き続ける「昭和」に会いたくて。
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細い枯れ木や薪が、家の裏にいっぱい積み上げてある。
りつ子さんはこれで毎晩、お風呂を沸かす。
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お風呂の焚口は屋外にある。
真冬だって、彼女はここにしゃがんで薪をくべる。
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座敷になにやら大きな布が……。
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「ああ、これなあ。二階を整理しとったら出てきたで。
何に使ったらええかねえ、これは」
その布を何枚も拡げてくださった。一辺が150センチ近くある。
「炬燵の上掛けにでもするかねえ」
「いや、それはもったいないかも。こんな立派な藍染を」
とお喋りするうち、昔の行商人などが使った風呂敷ではないか、
という結論に至った。
この家にお邪魔すると、私はいつもタイムトリップする。
子供の頃、暮らしの中にあったもの、日本のどこかにあったもの。
そんなあれやこれやが魔法のように姿を現す。
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庭木選定中だったりつ子さんと一緒に。
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さて、今回のS村では私にもミッションがあった。
畑の空いているところに花を植え、ゆくゆくは
バタフライガーデン(蝶や蜜蜂が集まる花畑)
にしようというもの。
夢だけで、知識も経験もなく、ここに住んで
いるわけでもないのに、なんとも大それたミッションを
勝手に決めてしまった。
植木屋さんで買ってきた花を、さっそく植えてみる。
ポットに種も蒔いた。
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ひとの世話になる……というか、人の力を120%くらい
借りなきゃできないことを始めてしまった。
で、すぐに罰が当たった。
空気の良いところなら、杉があろうがなかろうが
花粉症は収まるはず……と信じていたし、着いた日は
なんともなかった。
なのにいきなり鼻水、鼻づまり、目の痛み、喉の
イガイガが、凄まじい勢いで始まった。
りつ子さんにもポケットティッシュをありったけ
いただいて帰った。
原因はすぐにわかった。土埃だ。
この日、ポットに土を入れて種を蒔いた。
その直後からこの症状が出た。
にもかかわらず、せっせと雑草取りをした。
あとはもう三分とおかずに鼻をかみ続け、
はあはあと苦しい息を吐き続けた。
もちろん花粉症用に服用薬、鼻炎スプレー、目薬と
用意万端だったが、どれも効かない。
いまこれを書いているのは夜。
ようやく収まってきた。
でも明日はどうなることか。
畑の土は、付け焼刃の「やる気」を見抜き、
がつんとやってくれたのかもしれない。
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