陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

就職氷河期世代、公務員試験で救済措置

2022-12-30 | 仕事・雇用・会社・労働衛生

今年(2022年)はじめのことですが。
地元の役所に出かけた折に、県職員募集のチラシを見かけました。地方公務員試験といえば、大卒、短大卒、高卒と学歴ごとにわかれているものですが、近年は民間企業の職務経験者を募集していることがあります。さらに安倍政権時代以来の就職氷河期救済策として、この世代を特別枠で募集する重点措置が令和2年度からはじまっているようです。

ご当地県での県職員の募集受付はすでに終わっているようですが。
過去二年間の採用試験実施実績によれば、行政事務職として、合格者が数名程度に対し100名前後の受験者があった模様。氷河期世代枠の応募用件は、現在52歳から37歳までの、正規雇用労働者以外、とありました。

余談ですが。
私めは公務員試験を2度ほど受験したことがあります。1回目は大学院修了時、2回目は30代の非正規暮らしのとき。どちらも一次試験で不合格でした。じつは勉強の仕方がよくわからず、とりあえず、市販のテキストで1箇月ぐらいなんとなく解いてから受験したので、一般教養部分は自信があったのですが…。その後、個人事業主になった事で法律の知識が必要で、行政書士試験を受けたら独学5箇月でパスできたので、あんがい本気で勉強していたら少なくとも一次の筆記試験ぐらいはクリアできたのでは、という気がしないでもありません。

受験に本腰を入れなかったのは。
過去に公立図書館やら、年金事務所やらで非常勤勤務だったときに、公務員さんの働きぶりに違和感を覚えていたからです。昼休みは2時間以上もしゃべってサボっているわ、遅刻し放題の人間がいても叱らないわ、公金で購入した備品やお菓子で贅沢しているわ、という態度が生真面目な私には怠け者に見えたからです。

さらには、都会圏での派遣社員経験があったときに時給相場の高い仕事をしてしまったので。
地方自治体職員の初任給があまりに安く見えてしまったからなのです。実際、田舎では民間企業の事務職よりも、自治体職員の月給のほうがはるかにいいのに、当時の私は気づきませんでした。

その後、個人事業上の手続きで行政委員会にお世話になったときに会った公務員の皆さんは、話が通じない方もいましたが、その後任者の方はとても仕事ができる方でよくしてくださいました。私の公務員嫌いが払しょくされたわけです。

ところで、今回の氷河期世代の救済措置はラストチャンス。
私も心が動かないではありませんでしたが、応募しなかったのは、すでに正社員勤めしていたから。それに加え、個人事業主であるので原則副業禁止の公務員の服務規程に反するからです。

さらには、公務員は数年おきに人事異動があり、下手すると県のへき地へ飛ばされることがあります。
マイカーを持たない、運転に不慣れだったころの私には無理でしたし。職種がころころ変わり、人間関係も不安定になるような働き方は私の性分には合いません。

そもそも、個人事業を継続する以上、今後、公務関係者とは関わる可能性があるのであきらめたという次第です。

この氷河期世代の受験がどういったものかわかりかねますが。
私が最初に受けた試験では、なんとなく、すでに採用者を内定させているのではないか、という気がしました。親が公務員だったり、教員だったり、地元の議員に顔が利くと有利だとか、そんなことも聞きます。公務関係者は身元の堅い人を求めますから。実際、私が学卒すぐに受験したときは、お前の遠縁筋に市議会の議長がいるから、とりあえず一次試験さえ通ったらあの人に頼めばなんとかなるよ、と言われたものでした。嘘か本当かわかりかねますが。若かりし頃の私はそれに反発して勉強を疎かにしたのですけれど、仮に私が採用されていても、自分の性格では務まらなかっただろう、と思われるのです。やはり、会社のような経営に携わる仕事をするのが好きですから。役所はホントにクレームが多い。

それに公務員は合格通知がきても、内定で採用の名簿に載るだけで。
自治体の予算次第では待機状態になったりするとも聞きます。そこも、私には不安要素でした。

この氷河期世代の救済措置が来年もあるのかはさだかではないのですが。
自治体により時期が異なりまして、詳しくは総務省の公式サイトおよび各自治体のホームページをチェックしてみてください。

個人的には、氷河期世代か否かを問わずに。
非正規雇用で勤務成績がいいような人を直接の正規雇用にきりかえて雇っていった方がよいのではと思いますし、実際、内定があるのはそうした身元がわかっている人の様な気がします。

公務員に関係なく、会社員でもそうですが。
何らかの事情で社会復帰が遅れてしまうと、就職できたとしても、上司が年上だったり、あるいは同級生だったりして恥ずかしいなんてこともありえますよね。実際、それがいやで、上京して地元に帰ってこない人もいます。私も今の勤め先には過去の知り合いはまったくいないので、すごく気楽です。そういう小意地の張ったプライドは捨てられたら楽になるんですけどね。

ちなみにご当地県では、東京圏からのUIJターン移住し就業した方を対象に支援金を支給する事業もはじまっています。雇い入れた事業主への中途採用等支援助成金もあります。日本育英会(現:日本学生支援機構)の貸与奨学金の返済免除できる制度もあるようです。地方では人手不足が深刻化しています。都会で働いて最先端のITスキルなどを有する人材を欲しがるのは、地方企業では当然のなりゆきなのです。

不遇だった時代に、しっかりとスキルアップで自己研鑽を怠らず、不安定雇用でもくさらずに真面目に勤めて業務能力を高めてきた方には、今回のチャンス、かなりの朗報だったのではないでしょうか。40代前後になっても仕事に復帰できる機会というのは、あってほしいものです。

( 2022/08/28)









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