一般的に12月は畑仕事はお休みどき。
だいたい収穫する時期なので、今から種をまくどあほうはいません。私以外は!
なぜ、この時期にわざわざ蒔くのか?
ほんらいは秋まきが推奨される葉物野菜を冬につくってみることで、常識に反することをしてみたい! ここんとこ、冬もそこそこあったかい。第二弾のコマツナも種まきが11月10日ととんでもなく遅かったにもかかわらず、なんとか若葉に育っています。ひょっとしたらば、種まきしたあとに、奇蹟的に発芽してくれるのかもしれない! そんな期待を込めて。
しかも冬は虫が湧きません。奴らは冬眠するのですから。
そして、雑草も生えません。雑草が生えないってことは、作物の生育にも悪いはずですが、まあなんとか保温対策すりゃなんとかなるでしょ、という、いつもの気まぐれな見切り発車スタートです(大丈夫なのか、それで?)。
第一弾の畝3列、第二弾の畝4列はすべてコマツナ。
第三弾もつくった畝は4列。まだ先輩株が生きているので、今回は別の作物を混ぜることに。
畝にまず穴を開けます。この穴ひとつに種を数粒ずつ。
ちなみに教本には律義にメジャーで測って等間隔にきれいに穴を開けていますが、野菜づくりど素人は草刈り鎌の柄をあてて、だいたいこれぐらいかなで親指をつっこみます。几帳面な人は絶対マネしちゃだめ!
ずぶずぶ、突っ込みます。障子にいたずらするあの間隔を思い出してください。
この瞬間のために、つらい、しんどい、反吐が出そうな畝づくりを二日にかかってやってきました。なのでとても快感です。教本には深さ1センチとありますが、この畑は荒れ地で粘土質、土が固まりやすく硬いので、どうしてもいきおいよく穴を深めてしまいます。こっから芽を出す種は大変だな、ハハハ(他人事みたいに)。
第1列目はダイコン。
近隣のプロ農家さんが自家消費用に植えていて、うらやましくなったから。数年前に菩提寺からお裾分けしてもらったこともあります。大根は葉っぱも高菜漬けして食べられるので無駄のない食材。
ダイコンの種袋、最初なのでいちばん安めのものに。税抜150円ぐらい。
ダイコンはカブと同じでいろんな種類がありますが、成長した様子が表面に写っていますので、好きなカタチを選ぶとよいでしょう。毎年種をかえてもいいかもしれませんね。
裏に容量が書いてありますが、あるのですが、ml(ミリリットル)表示なので、開けるまでどんだけあるんだかわかりゃしないのよ! つうか、液体じゃないのになんでミリリットルやねん! グラムじゃあかんのかい!
ダイコンの種はコマツナに比べたらけっこう大きめ。
作物って食べられる部分が大きいから種も多いとは限らないですよね。たとえばスイカとカボチャだとか。リンゴと柿だとか。どういう進化をたどって、あるいは品種改良の成果でそうなったのか? 不思議ですね。
ダイコンは根が太くなるので間隔ひろめ。30センチずつ。
…なのですが、この種袋けっこう多くて、そのあいだにも穴をいくつか掘って、むりやりぜ~んぶばら撒いてやりました。発芽しないケースを考えての保険です。べビリーフを間引けば葉物野菜として楽しめて、またそれもよし、と。ちなみに適度に間引かないと根が太く大きくならないので、このやりかたは推奨しません。
上の画像の左端みたいに、種がこぼれてしまうことがあるんです。
第一弾のコマツナ群では日暮れ時の種まきでそれが多かったのか、ラインからずれた箇所で芽生えたものあったり。
第2列、3列目はコマツナ。
この早生コマツナ種は第一弾につかったもの。かなり大きく育ってくれたのでお気に入り。税抜180円ぐらい。
内容量は13ミリリットルとあるのですが、ひと粒がかなり小さいためにけっこうな分量。
根の野菜ではないので、間隔は10センチほどで。なお教本では10センチほどの高さの低い平畝に二条か三条蒔き、それも棒状のもので筋をつけてとあります。第一弾ではそうしたのですが、間隔がばらばらになったので、第二弾の畝から10センチごとの穴をあらかじめ開けておくようにしました。
種まきは深めの器に移してから行います。
最初に全量を確認して、複数の畝に蒔く場合は器で等分する。ミズナとコマツナなど同時に蒔いてもいい種はあらかじめ器のなかで混ぜておく。
袋から直接落としたり、手のひらに受けたりすると、均等に蒔けないのでやめたほうがよいですね。ひとつの穴に3~5粒ずつ。指先の感覚がわからなくなるので、寒いですが、素手で種を掴みます。小さなスプーンですくってもいいのかもしれませんね。
畝2列分なので器に等分こしたつもりが後半の種がすくなくなってしまい。
第4列目のシュンギクを第3列目途中から蒔くことに。作物の変わり目には棒などで目印を立てておきます。さもないと、発芽した芽を雑草とまちがえて抜いてしまう恐れがあるからです。
第3から4列目に蒔いたのはシュンギク。税抜200円ぐらい。
この頃にはかなり日暮れ近く、風も強かったので、シュンギクの種の撮影は不可能に。ただし、この種袋はなかなか大容量35ミリリットルもあり、使い切れないので残しておくことに。
種を蒔いたら風で飛ばないように、手早く土をかぶせます。
このとき気を付けたいのが鳥! 近づいてきたら種を食われます! 要注意!
教本では穴の周囲の土を指で寄せてかぶせるとあるのですが。
これをすると土が入りきらずに隙間ができる可能性もあるので、私は畝のあいだの土を鎌で削って上から穴を埋めるようにかぶせています。穴もすこし深めにしています。なにせ、この土地は風が強く、雨でも土が流れやすいので、しっかり土でふたをする必要があるからです。ただし、ニンジンなど発芽までに日光を好む種はうすく土をかぶせたほうがいいそうなので、あまり推奨できませんけどね。
種まきのあとは土が種としっかり活着するように水やり。
ホースでどばっとではなく、ジョウロでやさしく、ちまちまシャワーを浴びせます。強い水流で泥がはねると病気になりますし、種も流れて、畝も崩れやすくなります。
ダイコン、コマツナ、シュンギク。
なぜこの取り合わせにしたのか? ダイコンとコマツナは仲間、シュンギクは彼らのお友だちだからです。
ダイコンやカブは根の野菜ですが、ミズナやコマツナの葉の野菜とおなじアブラナ科。
そして、シュンギクはキク科。
この二科目はコンパニオンプランツと呼ばれ、一緒に育てると相性がすこぶるよいのです。アブラナ科にはアオムシがつきやすい。しかし、キク科を近くで育てると虫害を減らすことができるのです!
虫よけになるために植えたマリーゴールドもキク科の植物なのです。
プランター栽培ならば人目のある室内に移動したり、虫よけネットでカバーできますが。面積のある畑だと虫よけ網を用意するのも経費がかさみます。
科のことなる作物どうしを隣あわせにすると、次のシーズンでは畝を入れ替えればいいだけ。連作障害を防ぐには、アブラナ科を育てたあとに同じ科をすぐ植えることができないのです。
第一弾の畝はそろそろ全収穫間近なので。
次の作物を何にするか計画中。本命は春からのイモ栽培なので、それまでのあいだ畝が埋まるような、栽培期間の短い&冬にも耐性がありそうな葉物野菜が理想なのですが…。
念のために買っておいたのはホウレンソウ。
アカザ科で寒さに強い品種です。アク抜きをしないといけないのでレンチンできるコマツナよりも調理がめんどくさそう…。
なお、この冬まき栽培が成功するか失敗するかは運しだい。
種まきしたのは12月8日、晴れから曇り。夕方にかけて強風、かなり寒くなった夜。18時にはすでに真っ暗で、作業終了後は凍り付くような寒さでした。しかし、ありがたいことに翌日は好天に恵まれ、気温も上がりました。この調子で発芽してくれたらと祈るばかりです。
(2024.12.09)