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12月21日冬至、この日は前日よりも3度ほど気温高め。
絶好の野菜づくり作業日和なのです。第1列の先輩株はぼちぼち全収穫を控えています。
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この日のプランは第四弾の土づくり準備。
畝をつくる前の土壌改良を行います。
STEP 01:耕起その1―土地に畝の全体図を素描
土起こしは最初の頃は一回だけやっていましたが。このあたりは土がかなり固いので二回行っています。一回目は東から西へ。
この一回目は畝の全体図をイメージしながら耕します。
よく絵を描くときに十字線を引いたり、セザンヌが説いた幾何学的な分解ではないですが、〇だの△だのラフなデッサンをすることがあるでしょう? あれと同じで、土地にアタリをつけるのです。
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あらかじめ畝のはじまりと終わりを設定して鍬でラインを引いておくのですが。
それよりははみ出るように多めに耕しておきます。実際に畝を築くときにあんがいけっこう幅をとるためです。
畝づくりも第四回めともなると、さすがに必要な面積が感覚でつかめます。
最初はうまくいくか不安で、あまり耕さなかったので、あまり種が蒔けず、後悔したからであります。
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こちらは前日に一度耕したあと。暗くなったので、翌日撮影しました。
露地栽培なので、日暮れになると作業じまい。
ただ、この耕起はやや薄暗くてもできるので。間引きや水やり、種まきなど視認を要する繊細な作業と同時ならば、先に済ませているのです。20日はこの前に、第二弾コマツナ若葉の間引きと植え替えを完了させました。
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STEP 02:耕起その2―土をほぐす、根などを除く
一回目と同じ耕起なのですが、今回は北から南、またその逆へという動きで。
俯瞰すると縦横十字に耕していくことになります。一回目と同じ動きをしたほうが、土が柔らかくなっていて楽なのですが。鍬が入らない部分がある気がして、あえて方向を変えてました。
このあたり、10月頃から生ごみを埋め込んでいたので、掘った後がちらほら。
耕すのが楽で助かります。鍬はけっこう重い。けっこうな運動になるので、冬なのに汗ばむぐらい。
この耕起のために、小型の耕運機を買いたいなと思いたいところではありますが、お金をかけない野菜づくりがモットー。なので我慢がまん。畝をいったんつくったら壊さないつもりなので。
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これは最近埋めた落ち葉だったのでしょう。
冬なのでまだ分解されていませんね。これは天然の有機肥料なので鋤(す)き込んでいきます。
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耕していると、じゃまくさいのが根。
この畑は数年前まで雑草に覆われていた地帯。この部分はとくにカヤがしつこくて。除草剤を撒き忘れたら、夏場に3メートルぐらいの灌木かと思うほど丈夫な草が育って、刈ったあともいまだに枯れ枝のような茎が残っています。それでこの硬い地面に絵が描けるぐらいのが。
しかし、根が張っているのは土を柔らかくしてくれている証拠ともいえます。
この畑は粘土質でとにかく土が硬い! 乾燥するとコンクリ塊みたいになり、そのわりには雨が降りすぎると水はけが悪くなります。とくに今回の部分はスギナも遠慮するほどの硬さ。カヤみたいな地下茎をはりめぐらす植物しか生えないのも道理ですね。
この荒れ地状態を土壌改良するために、あらかじめ、なんども生ごみやら落ち葉やらを埋め込んでいたわけです。
STEP 03:元肥を施す
種まき前の肥料やりを元肥、発芽あとからは追肥。どちらかに特化した堆肥もありますが、私が愛用している鶏ふんは安くて、どちらにも使えます。この鶏ふんはみかんの木の植え付け時に根もとに植えたものです。
まず深さ20㎝ぐらいの穴を掘ります。
畝をたてるあたり、1列ごとに4つ。今回は4列つくるので、計16個ですね。このときちょうど雨風が吹き荒れていて、画像が乱れていました。この事前土づくり作業はその場で一度限りなので、日を選んでシャッターチャンス狙ったのですがやや無念…。
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スコップ一杯分ぐらいを穴に落とし込む。
偏りがないように、すべての穴に均等に。この上に畝が通るように、穴をふさぐ前に枯れ枝などで目印をつけておくといいでしょう。
そのあとは土になじませて、埋めておきます。20~30㎝ほどよく耕して。
15時半から作業開始、終了したのは18時近く。
14時台の墓参り時にはまったく風のない穏やかな気候だったのに、夕方には小雨が降り、北風がいちだんと強くなってきました。
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肥料が土になじむまでには10日ほど。
だいたい肥料の袋に書かれてありますね。化学肥料だと数日だったり、蒔いてすぐ作付けしてもOKだったりしますが。動物のフンなど有機肥料は2~3週間待つのがよいとのこと。
畝づくりと種まきまでには時間がありますので、第一弾コマツナ群をそろそろ抜いて、次の作物を考えねばなりませんね。
土がよくない場所で畑をする場合は、野菜用の培養土をまぜたり、牛ふんなどの柔らかめの肥料を大量に撒いたり、さらにはアルカリとマグネシウムが豊富な苦土石灰を追加したりするのがセオリー。教本にもそう書いてありますし、農作業の体験学習に参加したときも、狭い畑に20キロの肥料を何袋も投入しているのを見かけたことがあります。
わが畑で点在的に施肥するのは、肥料を節約するため、そして時短のため。
大量の肥料を投入している人はたいがい、そのあと、耕運機でまんべんなく耕起して、あっというまに混ぜ込んでいます。耕運機の回転刃しだいでは、そのついでにきれいな平畝までできてしまうことも。
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しかし、手作業で土起こししている以上、また全体を耕すのはおっくう。
極端に肥料をやりすぎると肥料焼けを起こしてしまう可能性もある。なので、部分的に穴を掘って肥料を埋めているわけです。あらかじめ畝の下になるように溝をつくって堆肥をうめておけば、そこで根を張ってくれる。
頻繁に耕さないのは労力カットもありますが、土を耕しすぎると微生物が死んでしまうからです。
そのために、堆肥を投入する前に生ごみやら落ち葉やらを埋め込んで、徐々に土づくりをしていったわけです。実際に、この手順で第一弾のコマツナ群は上手く育ったので、今後ともこれを踏襲してみます。
堆肥によって施用量は違いがあります。
馬や牛のふんは1㎡あたり1回の上限が1~2㎏なのですが、醗酵鶏ふんは0.3~0.5㎏と少し少なめ。私は正確に計量しておらず、だいたい、スコップでこれぐらいとアバウトで投入しています(※真似しないでください!)
鶏ふんは安いうえに、少量でも効き目があるのでお気に入り。
ただ、余裕があれば他の肥料も試してもいいのかもしれませんが。畑が広くなるとさすがに石灰乾燥剤や卵の殻粉末だけでは足りなくなってしまうので、肥料にできるものがないか模索中であります。
(2024.12.21撮影、2024.12.22記録)