新聞の愛読者だった私が、新聞崇拝をやめた話をします。
そもそも携帯電話の電波と同じですが、新聞やテレビなどマスコミが扱うニュース素材も、その業界関係者だけの専売特許ではなくなりました。それに気づいてしまうと、どうしてもそこにお金を支払う気が失せます。
なぜって、読んだって楽しくないもの。
就職氷河期救済云々を記事にしたって、「知らせた」だけで、美術館やスポーツイベントの協賛みたいに、新聞社がお金を出して「応援してくれる」「働きかけてくれる」わけではありません。私たちが出した購読料は、世の中をよくしているのでしょうか? 世の中をああしてほしい、というオピニオン表明だけなら、もはや誰でもできてしまいます。それこそ、ツイッターのつぶやきでも。
私は長年、某Y新聞を取り続けていましたが、今年に入って、収入が減ったことから思い余ってやめることにしました。その後は、気になるニュースがあった日、もしくは週末のみ、月に数日のみコンビニ購入を続けています。
新聞をやめてよかったことは、単純に、世の中の悲しい動きにこころ惑わされる時間が減ったことです。出勤前の朝食をとりながら慌ただしく読んでいましたが、新聞を読み終えねばいけないと急かされることもなくなりました。世間一般の動きは、ラジオやネットニュースで知ればいいだけですし。まとまった社会の動向は、経済雑誌もしくは図書館で借りた本でもつかめます。
ところで、この新聞購読中止は、販売店へ電話一本でできます。
契約開始時は契約書代わりのハガキのようなものを書いた気がしますが、やめるときは楽だな~と思っていたら、なんと落とし穴がありました!
解約申し込みの翌月一日から配達されていないにもかかわらず、なんとその月分の口座引落がされていたのです。慌てて販売店へ電話。そもそも解約するなら書面かなにかで残したほうがいいのではと不安に感じてはいたのですが…。
その販売店のオーナーさん(けっこう若い)いわく、配達員が急に亡くなったりアクシデントがあったために、本社への請求止め手続きが遅れた、次月からはかならず引落はありませんとの回答が。しかし、私は不安なので、この新聞社本局のほうへも問い合わせをしておきました。
私がなにを懸念しているのかといえば、もしこれが認知症のお年寄りだったり、老人ホーム入所するので本人が解約を伝えても、家族が知らなかったとかでそのまま引落されたままになってしまうケースです。
今回の我が家の契約は、契約者は家族名義だったのですが、新聞代引落しは私の口座名義に変更していたので、私が契約当事者として交渉しやすかった点ですね。まあ、新聞販売店の方はそこまでこだわらないでしょうが、これが工事業者とかだと、やはり当事者以外が口を出すのは難しくなろうかと思います。
なお、その月分は販売店オーナー氏が直接返金にきてくださったし、腰が低い方だったので怒る気も失せました。前に朝日新聞を解約したときは、かなり態度が悪かったので二度と契約してやるもんかと思いましたけどね。でも、当分、新聞の定期購読したくはありません。ネット上でのサービスのサブスクリプションも、私に万が一のことがあったときのために、ネット上でのパスワードや電話での問い合わせ先を書き残しておかなくてはいけませんね。
年々歳々新聞離れが進み、配達員の人手不足が深刻になる。
買い支えてあげたいのはやまやまなんですけれど、新聞の質が落ちている気がしてどうも読み続ける気になれませんでした。新聞の見出しだけチェックすればいいなら、スマホで公式サイトを見たらいいだけですし。
新聞販売店も、街の書店もそうなのですが、特定のものを売るというスタイルをやめていかないと生き残れない時代なのかもしれません。正直、販売店さんでバラ売りしてくれたり、過去記事やチラシをわけてくれたり、するなら喜んで利用するのに、なんで月額定額制にしないといけないのか。販売店もコンビニみたいに、本社からノルマが厳しくてしめつけられているんじゃないかなと感じます。
(2020/10/29)
読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。