神殿、社務所、手水、狛犬、朱の鳥居。
神様のいる景色は自然と落ち着きます。
寺社仏閣の歴史については詳しくないのですが。
日本最古の神社は奈良県桜井市の三輪山をご神体とする大神神社(イケメンの神主と、その弟と居候がいて、姫宮家と懇意な神社ではない(笑))で、起源は縄文・弥生にさかのぼるそうです。
お寺については、六世紀末ごろに蘇我馬子が建てた元興寺(飛鳥寺の前身)が日本最古の本格的寺院とききます。古来のアニミズム信仰では神様は石や樹など自然界にやどるとされていたので、もちろん形式美をもとめる建築物はいらなかったのでしょう。
どうして日本の神様を祀る建物はこんなかたちをしているのか、ふしぎです。もちろん、世界各地にいろんな神様をまつる場所があって、それらもとても人の興味をひくものです。
【注】この知識はネット調べですので、もし間違っていたらお知らせねがえると幸いです
休日の今朝はかなり早く起きてしまったので、自転車でいける距離の神社にでかけました。近くをとおるのですが、中に本格的にはいったのははじめてです。神聖な場所を見境なくシャッターを切ることにうしろめたさはありましたが。
その神社は重要文化財指定されていて地元では有名な観光スポットです。朝の時間は参拝客もほとんどおらず、絶好の撮影日和なのでした。
寺社仏閣といいますか、どんな観光地もそうですが。行ってみれば思いの外、感慨が涌かなかったりしますよね。
たとえば、境内に消火栓があったり、自販機があったり。妙な看板があったり。そもそもいまは窓もガラス張りなので、和風なつくりの近代建築という気がいたします。物語やドラマや雑誌で、そうした不要な部分をのぞかれた神社像に、おのずと慣らされているのです。
ほんとうの本殿は重要文化財として保存されていて立ち入り禁止。参拝客用の拝殿は見目よろしく改装されています。あとでこの神社のHPをしらべましたら、奥にある本殿を見落としていたことに気づき、がっかりです。神様は人目のとどかない場所にお隠れ住むのがお好きなのでしょうか。
神社ならまだしも、お寺の場合は東大寺クラスの有名どころですと、ひとつのお堂を観るたびに参拝料をとられてしまうので、うんざりです。祈るという気持ちよりも、美術品をながめるという感覚。元手をとってやろうという傲慢な気持ちにさせます。欲得をすてろという色即是空の教えを説くはずのお寺が、よけいに煩悩をかきたてているのではと思います。
住職が派手好きだと、へたな民家よりも豪華にかざりたててあったりするので、神仙という感じがうしなわれているのです。とくに密教系で真言宗はゴージャスですよね。天台宗よりも。禅宗はすごく質実剛健で、どちらかといえば波長があいます。
とはいえ歴史建造物が保存され維持されていくためには、新しい文化に接ぎ木されて補強されていかなくてはならない。古さびた寺社仏閣というのは、もはや幻想なのです。儲け主義のはいりこんだ世界に、神様はいらっしゃるのか。そんな疑念はつきないけれど。人の手が施されたものを見たくないと思う気持ちは、払わなくては。それこそが、まさに神の嫌う邪心というものでしょう。
だいじなことは、自身が精神の調律をはかることであって。神の建物も祈りもお守りも、よすがに過ぎないのです。
【四枚目につづく】