陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

日曜写真館 十三枚目 「冬のもみじ」

2009-01-18 | 芸術・文化・科学・歴史


デジカメの画像を整理していたら、出るわ出るわの未確認映像。載せようと思って忘れていた写真が山ほど。
画像を加工したら、掲載用に解像度を落としたJPEGと、あとで加工しやすいように残しておくPSDと、もともとのPNGと、三つぐらいのファイルができてしまうので、デスクトップの上は画像が散らばりまくっています(汗)

画像は昨年十二月にふるさとで映したもみじ。
「夏のもみじ」という日記に載せたものと、おなじ楓の樹なのです。赤児のてのひらほどの小ぶりの葉波で、愛らしい。思わず軽くなでてみたくなります。
八月末に早くも秋を装っていたのに、冬のはじまりにもまだその色の衣を脱がない。この頃がいちばんの染めざかりだったのでしょう。一片の色褪せもなく、まるで顔料を拭きつけたように、いちめんの深紅でありました。
去年はかなりふるさとの紅葉は長かったようです。

そういえば、この当地の近所のおおきなイチョウの木の黄葉も、十二月はじめまできれいに眺められました。十日ほどして帰ってきた時にはもう、うつくしい黄金の梢は見る影もありませんでしたけれど。

夕陽の写真もそうですが、やっぱり日中のほうがきれいに映せますね。

このお寺とはべつの霊園に墓参りした際、車中から望まれた山の錦模様もあでやかで。去年はとみに秋が長くきれいに見えた一年ではなかったかと。暗いニュースが多かった一年でしたけれど、自然はひとの心を打ついとなみをやめることがありません。

実は、この日は法事でこの寺に滞在したのですが。なんと僧侶の読経がおわり、親族一同で墓参りする頃には、花びらのような雪が舞っていました。ですから秋の名残りと冬の先駆けとを同時にひとつところで楽しめたのです。
これも、天の配剤だったのでしょうか。さわやかに晴れた冬の青空、銀いろに輝く瓦、金の仏具、そして紅葉の赤に、雪の舞。ふしぎと美しい情景の連鎖に、重い行事へのゆううつも吹き飛んでしまったのでした。

寒い冬でも、あたたかい地域に移動すれば、冬と接して、遅れた秋の美しさに触れることが叶い、トクをした気分になった十二月でした。






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2 Comments

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Unknown (久方)
2009-01-18 21:51:04
ごきげんよう。万葉樹さま

冬の紅葉。
いつもは見逃してしまいがちなんですが、冬のような眼を惹く色が少ないこの季節、意識してないときに飛び込んでくる紅葉の色のような赤はどきりとして、目が離せなくなる気がします。
不思議なのは、人工的な赤は世の中に溢れかえっているのに、見て動揺するほどに心動かされるのは、淡くて儚くても自然な色なことです。
人工的な色のほうが、鮮やかなのですが。
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天然の秋 (万葉樹)
2009-01-19 07:46:44
ごきげんよう、久方さま。
コメントありがとうございます。

冬間ってたしかに昼どきは街の色は重いですよね。でも、夜になると電飾できらびやか。この十二月の楓も、そんな明るい街の装いに負けじと色づいたのかもしれません。

>不思議なのは、人工的な赤は世の中に溢れかえっているのに、見て動揺するほどに心動かされるのは、淡くて儚くても自然な色なことです。
人工的な色のほうが、鮮やかなのですが。

そうですね、やはりその時期限定の色だからというのは、日本人の感覚としてあると思います。
たとえば、現在は百円ショップでも売られているような紅葉の造花。最近は色彩にもこだわりをみせ、かなりホンモノに近い精巧なカラーリングをしています。が、それでもやはり偽物っぽさは否めない。
ふたつとしておなじ形大きさではない葉の色合い、枯れたもしくは濡れた感じはやはり再現できません。ようするに、物の材質が色調に影響しているのでしょうね。どこをみても繊維が一様なシルクの葉っぱと、複雑な脈のとおり光りのうけいれ具合も箇所によってことなる天然リーフとでは。

ところで、この樹は寺に隣接する墓地の入口にあるのですが、血のいろと見えなくもなくて。私以外の他の人は不吉に思ったのか、それとも他の用事にこころ奪われていたのか、足を止めずにいました。
この樹だけが例年こうなのか、確かめどころではあります。

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