陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

眠れぬ夜は神様がくれた至福の時間

2023-04-27 | 医療・健康・食品衛生・福祉

やたらと目が冴えてしまい、早めに起きてしまうことがたまにある。
まったく眠れずじまいというのではなく、疲れて早めに寝たが、思いがけず1時や2時に目覚めてしまう。

通常私は4時半から5時前を起床時間にしていて、これは会社勤めの日はもちろん、オフの日も変わらない。
なので、なるべく毎日、その時間帯に起きれるのがベストなのだが。熱帯夜で寝苦しい夜などに起こされてしまう。

以前は、十分な睡眠時間が取れないことを嘆いていた。
仕事ちゅうに眠たくなったらどうしよう。電車で寝過ごしたらどうしよう。高校時代の過食症と同じで、不眠症が悩みの種だった。眠れないということ自体が、自分の落ち度で、ストレスがあるから、という証に思われた。

だが、考え方を改めて見れば。
寝過ごしてしまうよりは、朝早めに起きれた方が、時間がたっぷりあるのである。
実際、この夏休み、様々な計画をたてたものの、実行できたのは6割程度。最終日になって、明日はいよいよ出社日というときに、私は早く起きてしまったのだ。

けれども、それは夏休みの時間がすこしだけ増えたことを意味するわけで。
1時過ぎに起きた私はシャワーを浴びて、部屋を片付け、古い本を払い出し、明日の出社準備を終えることができた。たいがい、休みの日の午後に行ってしまい、明日が勤務日であることにうんざりしてしまうことが多い。なのに、早めにやり終えてしまったことで、気分が軽くなったのだった。

以前は早めに起きたら頭痛が酷かったのだが。
日中、草刈りなどでからだを動かしているために、血流が良くなったのか、頭痛も解消されてきた。私は頭が痛くなると、どうしても亡くなったきょうだいの過労死を思い出し、生命の危機を感じて働けなくなってしまう。だから、なるべく、心身の不調には早めに対処するようにしている。

また、私は失意の日々にあったときは、下手したら朝方8時に寝て、夕方に起きてくる。
食事は一日一食しか摂らない、なんてこともあった。当然だが、まともな生活ではないし、健全な精神状態ではなかった。一日10時間以上も寝てしまうのは、社会的に死んでいるのも同然だったのだ。

片づけをやり終えたあとの余裕の時間で、私は読書をし、こんなふうにブログ記事を書いている。
40代にもなると、やりたいことが山積みで時間が惜しい。24時間を27時間にするには、睡眠時間が犠牲になるが、無理に削ると体調が傾いてしまうのだ。

行政書士の資格を取得したころは、朝3時起きで勉強していたものだが。
最近はそうした無理をしなくなった。会社勤めをはじめると、出社前に脳に負荷をかけるのが辛くなったのだ。早めに起きて準備は整えるが、出社前に仮眠をとっている。その横になったときに、仕事の改善のヒントが浮かんでくることがあり、メモが手元に欠かせない。

最近、私は月末の試算表の数字があわず苦労したが、その原因が前任者の経理員が行っていた売上伝票の処理のミスで売掛金のズレが累積されていたことに気づいたのである。
数学者のルネ・デカルトは、天井に舞う蠅の動きを眺めて二次関数のあの放物線を発見したというが。真理を発見するときには、根を詰めて徹夜で考え通してもだめで。あんがい、朝方の明るい時期にひょいと思いついてしまうものなのだろう。

ある本の中に、「待ち時間は神様がくれた時間、その余裕を楽しもう」と書かれてあった。
忙しない日々を送るわたしたちは、ついつい、一分一秒でも有意義なことに時間をつかおうと張り切りがちで。すこしでも自分の思い通りにならないスキマ時間ができてしまうとイライラしがちである。けれども、そうして焦燥をつのらせても、いざ時間が使えるようになっても存分に使いきれず、時間がないないと叫んでばかり。そのわりには、スマホでくだらないニュースを調べたり、SNSや動画をだらだら観たりして、時間を融かし続けているのである。

眠れぬ夜がきてしまうのも、不安があるからには違いない。
ぐっすり眠れたほうがいい、という常識にとらわれなければ、静かな夜に活動したっていいはずである。

ちなみに眠れないときにやってはいけないことは、日中でも同じだが、ネットやらテレビやらを眺めすぎてしまうこと。
これは余計に眠れなくなるどころか、寝所で寝ころびながらスマホを観る癖をつけてしまうと、脳がそこを体を休める場所ではないと認識してしまい、いつも布団の中でスマホを観てしまうという習慣をつくりあげてしまう。なので、眠る場所ではスマホは持ち込まない方がいい。そして、悩みごとがあったにしても、絶対に、くだらない検索で時間を浪費してはならない。負の感情にしばられて、動けなくなってしまうからだ。定年後の老人がテレビの前から動けなくなったり、ずっと陰気な顔つきでぼんやり街を歩き回っているだけで、ゴミ拾いをするなどの生産性のあることをしないように、老化とはたいがいそうしてはじまるのである。

食事をしてしまうのも考えもので。
コーヒー一杯程度飲むぐらいにしないと、夜中に間食してしまう習慣がついてしまう。

眠れぬ夜は、たいがい部屋が散らかっていて、集中できない状態になっている。
なので、ものを整理したり、ゴミを拾ったり、掃除をしたりして、からだを動かすのが一番。そうしたスキマ時間にこまめに整理整頓すれば、部屋が汚れないし、まとまった掃除の時間をもうけなくてすむのである。

静かな夜、独りになれる時間はとても贅沢なのだ。
そう思えば、不健康に思えた眠れない時間も、とてもありがたいものに思える。自分がやり残したことがあって、明日に先送りしないために、今日すませておきなさいよと、神様がくれた時間だと思いたいのである。

(2022/08/16)




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2023年の黄金連休どうしよう? | TOP | いつも陽気でいること、それ... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 医療・健康・食品衛生・福祉