陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

手づくり野菜が身近にあるのは幸せ

2024-12-19 | 医療・健康・食品衛生・福祉

画像は2024年11月某日の夕食。
このなかで、自分が栽培したものがふたつあります。

正解は主菜の皿の上の緑菜とお茶。
鮮やかな緑なのがコマツナ。お茶はスギナを茹でたもの。茹でたスギナもマヨネーズや醤油などでおひたしでおいしくいただいています。

買ってきたお惣菜だったのは、ハンバーグと酢の物、しそかつおのニンニク、かぼちゃの煮物、あとはたくあん。
あとの野菜はレンジ過熱した温野菜ばかり。実は最近、ほとんどの食事がこの主菜を魚か肉をいれかえることで済ましています。みそ汁はかならずつける。盛り方のセンスが悪いですが、気にしないでください!

昼食はご飯のかわりに、麺類か食パンのときもありますが、この温野菜セットは常備して添えています。
よく毎日パスタでも飽きないという人がいますが、うちもそうで、おかずが極端に変わり映えしなくても飽きません。糖尿病の同居人にも健康にいいからで、納得させています。

大事なのは、きちんとした栄養バランスをとることです。
家庭の料理は給食や病院食のように、メニューが毎日違うものを出す必要はありません。絶対にシチューが食べたいとか、鍋がしたいとか、特別感ありきのメニューにするのもたまにはよいのですが、そのために食材を買い足したり、余らせたりしてロスになります。

このワンパターン料理はメニューを考えなくていいので楽ですし、常備野菜を買うと決まっているので買い物も早いのです。お惣菜もだいたい一週間で使い切る量を買う。かつてのように、安くなったお惣菜をぽんぽん買い込んで、冷凍して、いつのまにか数年たって忘れている、なんてこともなくなりました。予算を立てやすく無駄買いしなくなったので、食費がかなり削減できています。

レンジ温熱野菜のいいところは調味料がほとんど不要なこと。
ニンジン、玉ねぎ、コマツナはそのまま。かろうじて使うのはもやしに塩と胡椒ぐらい。キュウリは現在高いので、酢の物でとるようにしています。その代わりの青物としてコマツナが重宝しています。

あらためて見ると、たったこれだけのおかずの量ではあるのに、多くの細かな食材が必要で。それを生み出すのに多くの人が関わっているのだと感じます。大河ドラマで平安時代の食事が出てきますが(出演者によると、けっこう美味らしい)、貴族といえども、おかずの量は多くありません。現代ほど日本人は豊かな食材に恵まれていなかったのです。

北海道の農家さんならば、牛肉も含め、野菜や果物も自家栽培するか、近隣でおすそわけするので、店で買ったことがないそう。羨ましいと思う反面、家族総出で働きづめなので、ご苦労もしのばれます。

野菜づくりの初歩の初歩、コマツナ栽培が無事成功したことで、家庭菜園に自信がつきました。わずかとはいえ、自分で育てたものが食卓に並ぶのは、望外の喜びです。

けれども、それ以上に、自分の手では生み出せないもので、自分の生活がなりたっていることに気づかされます。
日本の食糧自給率は40パーセント(カロリーベース)もないのです。もし、海外に高い関税をかけられたり、あるいは戦争状態になったら、国民はあっという間に飢えてしまいます。インフレ気味ですからお金の価値が目減りしています。それこそ、戦時中のように、野草まで食い尽くす生活をせねばならなくなるのかもしれません。

絵を描いたり、詩や音楽をつくったり、踊ったり歌ったりするのも楽しいでしょう。
けれども、それは平和で豊かだからゆるされる教養ごと。ひとはパンのみで生きるのではないといいますが、お腹が空いたら、創作もできなくなります。学問もできなくなります。だから、私は野菜づくりをしてみたかった、どうしても。自分のいのちをすこしでも延ばすために。

現在、地域の農家さんに協力を仰ぎ、子どもたちに作物を栽培させる授業をおこなっている地方の学校もあります。こうした農教育はとても重要で、義務化しておいてほしいと願います。私自身がこうした教育をうけたことがなかったので、40歳過ぎまで育て方すら知らず、土いじりも大嫌いでした。こんなに菜園作業が面白いのならば、もっと早く知っていればと悔やんでいます。

国はリスキング教育だの、高度なIT人材だの、生産性の高い業種への人の集約だの、とうたっていますが。われわれが最低限生き延びていくために本当に必要な仕事はなんなのか、いまいちど、考え直す必要があるのかもしれませんよね。農林水産業者さんへのリスペクト忘れていませんか?

野菜づくりをはじめてから農業の大変さに気づき、食材をなるべく無駄なく使うようにこころを砕くようになりました。
生ごみや落ち葉を堆肥に活用したり、自然の中で生かせるものはなにか工夫をこらす。買い物も手前どりで食品ロスをなくす取組を。手間はかかりますが、生活に張り合いがでています。

野菜づくりをしたご縁なのでしょうか。
最近、お世話になっている方からお裾分けに野菜をいただくことがあり、とても助かっています。地域特産の農産物にも興味をいだいたりして、毎日が輝いてきました。同居人とも食卓で会話がはずむようになり、一石二鳥も三鳥も効果があったようです。

(2024.12.04)





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