陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

野菜が気がかりで落ち着かない症候群

2024-12-22 | 家庭菜園・庭仕事・ガーデニング

平将門の最後の戦は農耕期で百姓を村へ返していたために、負けたといわれています。武士と農民とを厳密に分離したのは、豊臣秀吉の刀狩令からでしょうが、農耕民族だった日本人には、畑が心配で心配で仕方がない、という遺伝子が根付いているのかもしれません。貴族だとか、豪商だとか、代々の特別なお家柄をのぞけば、誰しも五世代ぐらい遡れば、農林水産業に従事したひとにたどりつくのではないでしょうか? 



準備期間を含め、野菜づくりをはじめて二箇月。
毎日の天候や気温をこまめにチェック。大雨が降った日は雨漏りしている家よりも畑のことが気がかり。台風や洪水の日になぜか海や川、畑を様子見して危険に飛びこんでしまうひとの気持ちがわかります(苦笑)。だって、自分の食い扶持なんだもの(爆)!

11月下旬、前日に大雨が降った翌日。
コマツナ畑は畝のあいだに水がかなり溜まっています。手汲みで除く。水路が近いので排水用の通路を掘ってもよいのですが、逆に夏場は乾きすぎるのかも…。

雨が降れは水やりしなくていい、万歳!…とはならない。
コマツナにしては高い畝にしたものの、この畑は粘土質で水はけがやや悪め。雨風で成長点より下があらわになり、株が抜けやすくなります。土寄せして修正。風で折れた葉は枯れてしまうので、ハサミで収穫。なので、残した株が葉っぱが二、三のコマツナらしくない風貌になります。



この土地はかなり風が吹くので、葉がどうしても寝てしまい、株がひろがってしまいます。垂直に立つように、つど土寄せしているのですが…。その分、間引きをくりかえして株のあいだを広げると、日光をたっぷりあびて葉はかなりおおきく育ってくれるようです。刺身のツマの大葉みたいなんですよね…。ほんとにコマツナなんだろうか? 産院の取り換えっ子みたく、まちがった種が入ってました、とかじゃなかろうか? 少々不安になってきました(おいおい)。



若苗を移植したリバイバル世代も、しっかり活着。
この苗の周囲にも、新しい種を撒き、ぼちぼち発芽しかけています。畝の横に生えてきたスギナは5センチぐらいまでの若芽ならば摘んで、お茶&おひたしで食べます。肥料を施した畝だから安心。



11月半ばに種まき分の第二弾コマツナ群は、そろそろ発芽してきました。
一部は雨で流れたか、鳥に食われたか、芽が出ていない。第二弾は早生の種ではないし、寒さも本格的になってきたので、生育がゆるそう。気温が15度を下回る日があると、伸びも遅くなりますね。ネギも大雨の日は高温多湿だったため、すこぶるよく丈が伸びていました。



今回の間引きでの収穫分。
ここ2週間ぐらい、週二ほどの間引きで一回にこれぐらいの量が採れます。虫が冬眠する時期なので被害はすくないですが、それでも食われていますね。

株間はそろそろいい具合になったので、あとは選抜した株がどれくらい大きくなってくれるか、なのですが。冬も近づいて霜の被害なども考えると、そろそろばっさり収穫したほうがいいのかも…。ただ、そのあとの作物を考案中なので、まだ空けるのを迷っているんですよね。

今回は時間に余裕があったので撮影できたのですが。
陽が落ちるのが早いので、じっくり観察している時間はあまりありません。野菜はこちらのペースお構いなしに育つので、振り回されっぱなしです。でも、ある程度、コントロールもできますね。人間様のお気持ちと違って(苦笑)。

この日はからだをよく動かしたので、気持ちよく眠れる…と思いきや、帰りに立ち寄った本屋で買った漫画がおもしろくて寝不足になりました。北海道開拓民の子孫で酪農家出身・荒川弘先生の『百姓貴族』、すばらしいです! 大爆笑!

直木賞作家の河﨑秋子さんの羊飼い時代の回顧録『私の最後の羊が死んだ』も、図書館で借りたんですが、命を養っていただく、という仕事の魅力が伝わって、楽しく読ませていただきました。こういう職業エッセイって、もっと読まれるべきだ!、と地方民は思うのでした。

野菜づくりは読書の幅もひろがって、いい趣味なのですが、どこまで体力がもつか、ですね。


(2024.11.28)












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